美しくも不吉な伝説を纏うブルーダイヤモンド
画像に映る宝石こそ、世界で最も有名なブルーダイヤモンドです。深く澄んだ青の輝きは多くの人々を魅了してきましたが、その一方で「呪いの宝石」という恐ろしい評判も、長年にわたり付きまとってきました。
実際、このダイヤモンドには途切れることのない不幸の連鎖が結びついているといわれています。
インドの仏像から盗み出された伝説
ブルーダイヤモンドの起源はインドにさかのぼります。元来、この宝石はインドの仏像の額を飾っていたと伝えられています。ところが、ある冒険家がこれを盗み出し、フランスへ持ち去ったことで、物語は大きく動き始めます。
神はこの盗みに対して強力な呪いをかけたとされ、ここから一連の悲劇が幕を開けたのです。
太陽王の前で失脚したフォケ
ニコラ・フォケは、「太陽王」ルイ14世の臨席のもとで催された宴に、このダイヤモンドを身につけて出席しました。しかし直ちに国王の不興を買い、ほどなく獄中で生涯を閉じたといわれています。
モンテスパン侯爵夫人の転落
ルイ14世の愛妾であったモンテスパン侯爵夫人もまた、寵愛を失う憂き目に遭い、厳しく過酷な懺悔の日々の中で晩年を過ごしたと伝えられます。
マリー・アントワネットと断頭台
やがてこの見事なダイヤモンドは、王妃マリー・アントワネットの手に渡ります。彼女はフランス革命の激動の中で言いようのない苦難に見舞われ、ついには断頭台の階段を上る運命を辿ったのです。
ロマノフ家の悲劇
その後、宝石はロシアの支配者ロマノフ家の手に託されました。しかしながら、ボリシェヴィキ革命の勃発とともに、皇帝一家はことごとく殺害されてしまいました。
今はスミソニアン博物館で静かに眠る
今日、ブルーダイヤモンドはワシントンのスミソニアン博物館に収蔵されています。最先端のセキュリティ機構を備えた透明のケースの中で、厳重に保護されているのです。
この宝石はホープダイヤモンド、あるいはフレンチ・ブルーという名前でも広く知られています。呪いの逸話の多くは伝説にすぎないともいわれますが、数百年の時を超えて人々の心を掴んでやまない、その青い輝きだけは紛れもない事実でしょう。(写真提供:gioielloitaliano.net)