歴史物語

エドワード・ヒックスの『平和の王国』は、ウィリアム・ペンとネイティブ・アメリカンの交流をどう描いているのか?

「平和の王国」はペンと先住民の交流を描いていない?

エドワード・ヒックスによる有名な絵画『平和の王国』は、一見するとウィリアム・ペンとネイティブ・アメリカン(先住民)との友好関係を表現した作品と思われがちですが、実際にはそうではありません。この作品は、ペンが先住民と交わした歴史上の取り決めや交流の様子を直接的に描いたものではないのです。

宗教的な場面を中心としたヒックスの作風

ヒックスはもともと宗教的な場面を好んで描いた画家であり、その傾向は本作にも色濃く反映されています。彼の描く『平和の王国』には、聖書の一節に基づく情景が視覚的に組み込まれています。たとえば、狼やライオンが子羊とともに穏やかに佇むという、旧約聖書イザヤ書に記された平和の預言を想起させる場面などがその代表例です。

まとめ

つまり、ヒックスの絵画はペンと先住民の交流を記録した歴史画ではなく、あくまで聖書の教えを基調とした宗教画として構成されている点が重要です。画面の中で異なる動物たちが争いなく共存する姿こそが、ヒックスが描きたかった「真の平和」というメッセージなのです。