結論から言えば、ネズ・パース族の指導者ジョセフ酋長(1840年頃〜1904年)は確かに教育を受けていました。ただし、それは西洋式の学校教育ではなく、部族に根ざした伝統的な教育でした。
伝統的なネズ・パース式の教育
ジョセフは現在のオレゴン州北東部にあたるワロア渓谷で育ちました。幼い頃から狩猟、漁労、馬術、そして戦闘技術といった、部族の生活に不可欠な技能を徹底的に学びます。同時に、口承によって語り継がれる歴史や精霊信仰など、部族の精神的・文化的な伝統も深く身につけました。
キリスト教との関わり
父である老ジョセフ(トゥエカカス)は、長老派教会の宣教師ヘンリー・スパルディングの布教を受けて洗礼を受けた、初期のネズ・パース族キリスト教徒の一人でした。一方、息子のジョセフ自身が宣教師の学校に通ったという記録はなく、彼は生涯を通じて部族の伝統的な価値観を守り抜きました。
英語力と優れた弁舌
ジョセフは英語を流暢に話すことができず、米国政府との交渉では通訳を介するのが常でした。それでも彼は母語における卓越した弁舌で広く知られており、「私はもう二度と戦わない」と結ばれた有名な降伏演説は、その雄弁さを今に伝えています。
まとめ
ジョセフ酋長は近代的な学校には通っていませんでしたが、部族の指導者として必要な知識・技能・精神性を、伝統的な方法でしっかりと習得した人物だったのです。