結論から言うと、アニー・オークリー(Annie Oakley)は軍隊に正式に所属したことはありません。しかし、彼女は史上最も有名な女性射手(シャープシューター)として、軍人顔負けの射撃技術で世界中を魅了しました。
「リトル・シュア・ショット」と呼ばれた神業の射手
1860年にオハイオ州で生まれたアニー・オークリー(本名:フィービー・アン・モージー)は、幼い頃から優れた射撃の才能を発揮し、家族を支えるために狩猟で生計を立てていました。やがてその腕前が評判となり、先住民族の指導者シッティング・ブルから「リトル・シュア・ショット(確実な小さな射手)」という愛称を贈られたことで知られています。
バッファロー・ビルのワイルド・ウエスト・ショーで大活躍
彼女の名声を決定づけたのは、伝説的なショーマン、バッファロー・ビル率いる「バッファロー・ビルズ・ワイルド・ウエスト・ショー」への参加です。このショーで彼女は空中に投げられたカードやコイン、グラスなどを次々と撃ち抜く華麗な演技を披露し、観客を驚嘆させました。
その評判は海を越え、イギリスではヴィクトリア女王の前で、またドイツではカイザー(皇帝)ヴィルヘルム2世の前でも演武を行っています。当時の最高権力者たちを前にして見事な射撃を披露できたことからも、彼女の技術と度胸がいかに並外れていたかがわかります。
軍隊との関わり
公式な軍務経験こそないものの、アニー・オークリーと軍隊の縁は完全になかったわけではありません。第一次世界大戦中には、女性によるライフル部隊の創設を政府に申し出たと伝えられていますが、この提案は受け入れられませんでした。
それでも彼女は、戦傷を負った兵士たちへの支援活動などを行い、愛国心の強い人物として多くの人々に敬愛されました。軍服を着ることはなかったものの、「銃を操る者」としての名声においては、誰にも引けを取らない存在だったのです。