歴史物語

「IN GOD WE TRUST」の記載がない1934年20ドル紙幣に価値はある?知っておきたい真実

結論:1934年の20ドル紙幣に「IN GOD WE TRUST」は元々存在しない

「IN GOD WE TRUST(我らは神を信ず)」という標語が印刷されていない1934年発行の20ドル紙幣を見つけたとき、「これは貴重なエラー紙幣ではないのか」とワクワクするかもしれません。しかし結論からお伝えすると、それは特別なことではありません。正規に発行されたすべての1934年シリーズ20ドル紙幣には、この標語が最初から印刷されていないのです。

米国の紙幣に「IN GOD WE TRUST」が初めて登場したのは、1957年発行の1ドル銀券からです。その後、1960年代に入ってから他の額面の紙幣にも順次追加されました。つまり、1934年当時の紙幣にこの標語がないのはごく自然なことであり、「標語がない=希少で価値が高い」ということにはならないのです。

「IN GOD WE TRUST」が紙幣に印字された経緯

この標語は南北戦争中の1864年、2セント硬貨に初めて刻まれました。1908年には法律によりすべての硬貨への表記が義務付けられますが、紙幣への採用は大きく遅れました。1956年、アイゼンハワー大統領が署名した法律で「IN GOD WE TRUST」が正式な国の標語と定められたことを受け、翌1957年から紙幣への印字が始まったのです。

1934年20ドル紙幣の価値を左右するポイント

標語の有無は価値に影響しませんが、以下の要素によってコレクター市場での評価は大きく変わります。

1. 保存状態

折り目や汚れがなく、未使用に近いシャープな状態の紙幣ほど高く評価されます。同じシリーズでも、状態によって価格は数倍以上変わることがあります。

2. 財務省印の色と種類

最も一般的なのは、緑色の印章を持つ連邦準備券(Federal Reserve Note)です。一方、金色の印章を持つ1934年金証書(Gold Certificate)、黄色い印章の北アフリカ向け緊急発行券(1934A)、茶色い印章のハワイ向け発行券(1934A)などは希少性が高く、高値が付きやすくなります。

3. スターノートの有無

シリアル番号の前に★(スター)マークが付いた交換用紙幣は発行枚数が限られており、同じ条件でも通常の紙幣より高い価値が付きます。

4. シリーズ記号と発行地区

1934年、1934A、1934B、1934C、1934Dといったシリーズの違いや、発行した連邦準備銀行の地区によっても需要と相場が異なります。

まとめ

「IN GOD WE TRUST」の記載がない1934年20ドル紙幣は、決して珍しいものではなく、むしろそれが本来の姿です。ただし、保存状態や種類によってはかなりの価値が付くこともあります。手元にある場合は、専門の鑑定業者や貨幣商に相談してみることをおすすめします。