アルバル・ヌニェス・カベサ・デ・バカ率いるフロリダ遠征隊の生存者たちが語った体験談は、後に歴史に残る重要な書物として結実しました。その結果こそが、デ・バカ自身の手による著書『ヌアフラヒオス(Naufragios/難破譚)』の出版です。
1528年の難破から始まった8年間の放浪
この本には、1528年にメキシコ湾で船が難破した後、スペイン人探検家4名がたどった8年間に及ぶ旅と生存の記録が綴られています。当初600名近くいたとされる遠征隊の中で、最後まで生き延びて文明社会へたどり着いたのは、わずか4名でした。
先住民との交流と大陸横断の記録
『ヌアフラヒオス』は、探検家たちが旅の途中で出会ったさまざまなネイティブ・アメリカンの部族との交流を詳細に記録しています。彼らは現在のアメリカ合衆国南部から西部にあたる広大な地域を徒歩で横断し、奴隷商人や商人、さらには呪術師として生き抜きながら、ついに太平洋岸に到達しました。当時の北米内陸部に関する第一級の史料として、その価値は今日でも高く評価されています。
生存者の証言がもたらした影響
デ・バカと仲間の生存者たちが語った驚異的な物語は、ヨーロッパの探検家や冒険者たちの間で大きな関心を呼び起こしました。黄金の都「シボラ」の伝説など、豊かな土地への憧れをかき立てたこの証言は、アメリカ大陸探検のさらなる活発化を促す一因となったのです。