歴史物語

アメリカの1セント硬貨(ペニー)に女性が描かれたことはある?

アメリカの1セント硬貨(ペニー)に女性が登場したことはある?

結論から言うと、現在流通しているアメリカの1セント硬貨(ペニー)に、実在の女性の肖像が描かれたことはありません。1909年の発行開始以来、1セント硬貨の表面には一貫してエイブラハム・リンカーン大統領の肖像が刻まれ続けています。

ただし、これは「アメリカの通貨に女性が登場したことが一度もない」という意味ではありません。初代大統領ジョージ・ワシントンの夫人であるマーサ・ワシントンは、1886年に発行された1ドル銀券(紙幣)に肖像が採用されており、アメリカの紙幣に登場した最初の実在の女性として知られています。

初期の硬貨には「自由の女神」の姿

リンカーン1セントが登場する1909年以前の1セント硬貨には、実在の人物ではなく、自由の女神(リバティ)を象徴化した女性の姿が描かれていました。つまり「女性の図柄」自体は古くから硬貨に存在していたものの、それは特定の実在女性の肖像ではなかったのです。

近年の動き:アメリカ女性クォーター・プログラム

2022年から始まった「American Women Quarters(アメリカ女性25セント硬貨)プログラム」では、詩人のマヤ・アンジェロウや宇宙飛行士のサリー・ライドなど、歴史に名を残す女性たちが25セント硬貨に登場しています。実在の女性が定期的に流通硬貨の図柄となる、初めての本格的な取り組みとして注目を集めています。

また、2007年からはファーストレディを称える「First Spouse Gold Coins(ファースト・スポース金貨)」も発行されていますが、こちらはコレクター向けの記念金貨であり、日常的に使われる流通硬貨ではありません。

まとめ

1セント硬貨(ペニー)そのものに実在の女性が描かれたことはありませんが、マーサ・ワシントンは紙幣への登場という形で、アメリカ通貨史における女性の第一歩を刻んだ存在です。多様性への関心が高まる中、今後さらに多くの女性の肖像がアメリカの硬貨や紙幣に登場する可能性もあるでしょう。