マルコ・ポーロによる極東への旅が歴史上きわめて重要な意味を持つのは、当時のヨーロッパ人にとってほとんど知られていなかった世界についての数々の物語を持ち帰ったことにあります。それまで空想の産物としか考えられなかった遠い東方の実像が、初めて具体的な形でヨーロッパにもたらされたのです。
『東方見聞録』が伝えたもの
彼の著書『東方見聞録(マルコ・ポーロ旅行記)』は、中国やインドをはじめとするアジア各地の地理、文化、そして人々の生活習慣について、驚くほど詳細な記録を提供しました。繁栄する都市の様子、交易の仕組み、独特の風俗や信仰まで、読者に強烈な印象を与える内容でした。
ヨーロッパの世界観を変えた知識
こうして伝えられた知識は、ヨーロッパの思想や文化に深遠な影響を及ぼし、ヨーロッパ人が世界を捉える視点そのものを大きく変えることになりました。地図上の空白でしかなかったアジアが「実在する豊かな世界」として認識されるようになり、後の大航海時代における探検家たちの冒険心をかき立てる一因となったと考えられています。