1946年――戦後の再建と冷戦のはじまり
1946年(昭和21年)は、第二次世界大戦が終結して最初の完全な一年であり、世界が「戦後」の新しい秩序を形作り始めた重要な転換点となりました。国際連合の本格始動や冷戦の萌芽、日本では東京裁判や憲法制定など、現代につながる数々の歴史的出来事がこの年に起こっています。ここでは、1946年の主な出来事を時系列で振り返ります。
1月~3月:国連の始動と「鉄のカーテン」演説
1月10日: 第1回国連総会が英国ロンドンで開催されました。51か国が参加し、国際連合の活動が本格的に始動します。
1月17日: 国連安全保障理事会が初会合を開きました。
2月24日: アルゼンチンの大統領選挙でフアン・ペロンが当選しました。労働者階級の強い支持を背景としたペロン政権の誕生です。
3月5日: 英国のウィンストン・チャーチル元首相が米ミズーリ州フルトンで演説し、「鉄のカーテン」という言葉で東欧における共産主義勢力の拡大を警告しました。この演説は冷戦の始まりを象徴する出来事として知られています。
4月~6月:国際連盟の解散と東京裁判の開廷
4月18日: 国際連盟が正式に解散しました。その役割は国際連合へと引き継がれます。
5月3日: 極東国際軍事裁判(東京裁判)が東京・市ヶ谷で開廷しました。太平洋戦争における日本の指導者らの戦争責任が問われることになります。
5月25日: ヨルダンが英国から独立しました。
6月2日: イタリアで国民投票が実施され、王制から共和制への移行が決定しました。
7月~9月:ビキニ環礁核実験と第1回カンヌ国際映画祭
7月1日: 米軍が南太平洋のビキニ環礁で核実験「クロスロード作戦」を開始しました。7月25日には海中爆発実験も行われ、核兵器時代の到来を世界に印象づける出来事となりました。
7月22日: パレスチナ問題に関連して、エルサレムのキング・ダヴィッド・ホテル爆破事件が発生しました。
9月20日~10月5日: フランスのカンヌで第1回カンヌ国際映画祭が開催されました。戦後の文化復興を象徴する国際的な催しとなりました。
10月~12月:ニュルンベルク裁判の判決からユニセフ設立まで
10月1日: ナチス・ドイツの戦争犯罪人を裁くニュルンベルク裁判(前年1945年11月開始)で判決が下されました。
11月3日: 日本国憲法が公布されました。翌1947年5月3日の施行に向けて準備が進められます。
12月11日: 国連児童緊急基金(ユニセフ/UNICEF)が設立されました。戦禍で苦しむ世界中の子どもたちへの支援を目的としています。
12月19日: ベトナムのハノイでフランス軍とベトミン軍が衝突し、第一次インドシナ戦争が勃発しました。ホー・チ・ミン率いるベトナム民主共和国は、前年の1945年9月2日に独立を宣言していました。
まとめ:現代世界の基盤が築かれた年
1946年は、戦争からの復興と新しい国際秩序の構築が同時に進んだ年でした。チャーチルの「鉄のカーテン」演説に象徴されるように、米ソ対立という冷戦構造が姿を見せ始め、国連やユニセフといった国際機関が相次いで誕生しました。また、東京裁判やニュルンベルク裁判といった戦犯裁判は、戦争責任を問う枠組みとして、現在の国際司法にも影響を与え続けています。こうした一連の動きは、その後の世界史の大きな流れを決定づけるものとなりました。