「人民の、人民による、人民のための政治(government of the people, by the people, for the people)」という有名な一節は、アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンが1863年11月19日に行った「ゲティスバーグ演説(Gettysburg Address)」の中に書かれています。
ゲティスバーグ演説とは?
この演説は、ペンシルベニア州ゲティスバーグにある国立戦没者墓地(Soldiers' National Cemetery)の開所式典で行われたものです。1863年7月に行われた南北戦争最大の激戦「ゲティスバーグの戦い」で北軍(連邦軍)が勝利を収めてから、わずか4ヶ月半後のことでした。
演説の背景と歴史的意義
ゲティスバーグの戦いは、南北戦争の転換点となった重要な戦闘であり、両軍合わせて数万人の犠牲者を出しました。この戦いで亡くなった兵士たちを弔うために設立されたのが国立戦没者墓地です。
リンカーンの演説自体はわずか2分ほど、271語程度という短いものでしたが、「すべての人は平等に創られている」という独立宣言の理念に言及し、民主主義国家としてのアメリカのあり方を問い直す内容でした。その結びの一節である「人民の、人民による、人民のための政治が地上から消えないように」という言葉は、世界中の民主主義思想に大きな影響を与え続けています。
日本での広まり
この言葉は日本でも広く知られており、学校教育や政治の文脈でたびたび引用されます。「人民の、人民による、人民のための」という訳語は、自由・平等・民主主義といった近代的な価値観を象徴する表現として定着しました。