歴史物語

今、生きている人間より死者のほうが多いって本当?

「今この瞬間に生きている人間と、これまでに亡くなった人間、どちらの数が多いのか?」——これは多くの人が一度は抱いたことのある素朴な疑問です。結論から言えば、死者のほうが圧倒的に多いというのが、人口統計学上の一般的な見解です。

現在の世界人口は約80億人

国連(United Nations)の推計によると、世界の人口は2022年11月に80億人に到達しました。その後も増加傾向は続いており、国連の予測では2050年頃には約97億人に達するとされています。

歴史上生まれた人間は約1,000億人以上

一方、米国の調査機関ポピュレーション・リファレンス・ビューロー(PRB)などの推計では、ホモ・サピエンスが出現したとされる数万年前以降、地球上で生まれた人間の総数は約1,170億人に上るとされています。つまり、現在生きている約80億人を差し引くと、すでにこの世を去った人はおよそ1,090億人にもなるのです。

なぜ「生存者の方が多い」という説が広まったのか

かつては「今生きている人間は、過去に生きた全人類の半分近い」という説がよく引用されていました。これは20世紀後半の古い推計に基づくもので、当時は過去の出生率や人口動態に関するデータが十分に整備されていなかったことが背景にあります。しかし、近年の研究では、歴史上の人類総数は従来の考えよりもはるかに多いことが明らかになっています。

まとめ

死者の数は生存者のおよそ10倍以上。人類の歴史の長さ、かつての高い出生率、そして短かった平均寿命を考慮すれば、これはごく自然な結果と言えるでしょう。