カンタベリーへの巡礼者は歩いて行ったのか?
実は、中世イングランドの巡礼者たちは、カンタベリーの教会(大聖堂)まで徒歩で向かったわけではありません。多くの巡礼者は馬に乗って旅をしていました。
なぜ馬に乗って移動していたのか
巡礼者が馬を選んだ理由は、主に次の2点です。
- 長い旅路だったから: ロンドンからカンタベリーまでは約90キロメートル離れており、徒歩では数日を要する過酷な道のりでした。
- 多くの荷物を運んでいたから: 巡礼者たちは着替えや食料、宿泊用品など大量の所持品を携えていました。それらを背負って長距離を歩くのは現実的ではありませんでした。
『カンタベリー物語』にも描かれた実態
ジェフリー・チョーサーの名作『カンタベリー物語』に登場する巡礼者たちも、馬に乗って旅をする姿で描かれています。この作品は14世紀後半の巡礼の様子を伝える貴重な記録であり、当時の人々がどのように旅をしていたかを知る手がかりとなっています。
つまり、「巡礼者はカンタベリーまで歩いて行った」というイメージは誤解です。実際には、彼らは馬という移動手段を活用し、聖トマス・ベケットの墓を目指して快適さと実用性を両立させながら旅をしていたのです。