ハンニバルを撃沈したのは誰か?
第二次世界大戦中の1942年、「ハンニバル」という名の航空母艦が大西洋で日本軍の魚雷により撃沈された――そんな逸話が語られることがあります。果たしてこれは事実なのでしょうか。本記事では、この謎めいた話の内容と、その歴史的背景を検証します。
語られている内容
この逸話によれば、「ハンニバル」は航空母艦であり、1942年に大西洋上で日本軍の魚雷攻撃を受けて沈没したとされています。「ハンニバルを殺したのは誰か?」という問いへの答えとして、日本軍の魚雷が挙げられているわけです。
歴史的事実との照合
しかし、第二次世界大戦の公的な戦史記録には、このような事件は確認されていません。決定的な理由の一つは、日本海軍の潜水艦部隊が大西洋に展開したという記録が存在しない点です。日本の潜水艦は主に太平洋とインド洋で作戦行動を行っており、大西洋での戦闘参加は確認されていません。
また、「ハンニバル」という名称の航空母艦も、1942年当時に活動していた連合国・枢軸国いずれの艦艇の記録にも見当たりません。
1942年に実際に失われた航空母艦
この逸話の混同や混乱の原因となった可能性がある、1942年に実際に喪失した代表的な航空母艦は以下の通りです。
- 米海軍「レキシントン」:1942年5月、珊瑚海海戦で日本軍の攻撃により沈没。
- 米海軍「ヨークタウン」:1942年6月、ミッドウェー海戦後に日本軍潜水艦「伊168」の魚雷により沈没。
- 英海軍「ハーミーズ」:1942年4月、セイロン(スリランカ)沖で日本海軍機動部隊の艦載機により撃沈。
特に「ヨークタウン」は、日本軍の魚雷によって沈められた航空母艦という点で、この逸話のモデルになった可能性があります。
まとめ
「ハンニバルは1942年に大西洋で日本軍の魚雷により撃沈された」という話は、現存する戦史記録とは一致しない逸話です。ただし、当時は実際に数多くの航空母艦が失われた激動の時代であり、日本軍の魚雷によって沈んだ空母も実在しました。こうした断片的な情報が組み合わさって、この物語が生まれたのかもしれません。