
古代世界七不思議、唯一現存する驚異
数ある古代の奇跡の中で、エジプトに位置するギザの大ピラミッドは、今日もなお観光客がその雄姿を目にできる唯一の建造物です。ファラオへの崇敬の証として築かれたこの記念碑は、「古代は未発達だった」という通念を見事に覆す存在でもあります。紀元前2550年頃に造られたこの壮大なモニュメントは、高さ約137メートル。およそ10万人の労働力と20年の歳月をかけて完成しました。
クフ王の野望が生んだ世界一の建造物
大ピラミッドは、いわゆる「ギザのピラミッド群」を構成する建造物の一つです。中でも大ピラミッドだけが古代七不思議に選ばれました。これはファラオ・クフ王(ケオプス)の命により建てられたもので、王の石棺と、来世で必要とされる財宝の数々を納めるために計画された壮大なプロジェクトでした。19世紀にエッフェル塔が登場するまで、このピラミッドは「世界で最も高い建造物」の座を守り続けたのです。
未だ解けない建設方法の謎
ギザの大ピラミッドに関する最大の謎の一つが、その建設方法です。平均約3トンにも及ぶ巨大な石材を、当時の人々はどのようにして積み上げたのでしょうか。この問いに対し、研究者たちは主に二つの説を提唱しています。一つは、石材をナイル川の船で運搬したという説。もう一つは、石材そのものをセメント状の材料で現場で成形したという説です。
石を運ぶ三つのルート説
石材を組み上げる工程についても、三つの可能性が考えられています。第一に、ピラミッド基部付近に設けられたスロープ(傾斜路)で石を引き上げたという説。第二に、外側の壁面に沿ってスロープを築き、石を高所へ運んだという説。そして近年では、建築家ジャン=ピエール・ウーダンが、内部にらせん状のスロープが存在し、上部の石材はそれを用いて運ばれたと提唱し、大きな注目を集めました。
内部構造が魅了する研究者たち
大ピラミッドの内部構造は、今なお多くの研究者やエジプト学者を魅了してやみません。これまでに確認されている部屋は三つ。ファラオの遺体が安置されていた「王の間」、「女王の間」、そして地下に掘られた「地下の間」です。新たな空間を探索するには、ピラミッド本体を損傷しかねない手法が必要となるため、調査は困難を極めてきました。近年では、宇宙線ミューオンを活用した非破壊調査によって未知の大空洞の存在が確認されるなど、研究は着実に進展しています。
太陽光に輝いた白亜の巨体
また、大ピラミッドには見落とされがちな特徴があります。本来、ピラミッド全体は磨き上げられた石灰岩で覆われており、太陽光を浴びるとまばゆく輝いていたのです。残念ながら、この光沢のある化粧石の大部分は、およそ600年以上前に剥がされ、他の建造物の資材として持ち去られてしまいました。さらに建設者たちは、ファラオの財宝を守るため、盗掘者を惑わす無用な部屋や回廊を意図的に作り込んだとも伝えられています。
国家規模のプロジェクトが果たした役割
ファラオのあらゆる要望を確実に叶えるため、資材や労働者を管理する専門の組織が設けられていました。一部の歴史家によれば、ピラミッドの建設はファラオの政治的・宗教的権威を再確認すると同時に、エジプト各地に暮らす人々を動員し、統合する役割も果たしたというのです。