アジアの歴史

平成という時代を振り返って――30年の記憶とともに

2019年4月30日、30年間続いた「平成」の時代が幕を閉じます。元号が変わることはそう頻繁にあることではありません。平成最後の日に、この30年間を振り返ってみたいと思います。

1989年〜1993年(平成元年〜5年)

平成は長いので、5年ごとに区切って振り返ります。まずは、時代を彩った年間CD売上ランキングから。

年間CD売上1位

  • 平成元年:Diamonds / プリンセス・プリンセス
  • 平成2年:おどるポンポコリン / B.B.クィーンズ
  • 平成3年:ラブ・ストーリーは突然に / 小田和正
  • 平成4年:君がいるだけで / 米米CLUB
  • 平成5年:YAH YAH YAH / CHAGE and ASKA

そうそうたる顔ぶれです。私は昭和生まれなので、この頃の記憶は曖昧ですが、どの曲もどこかで強く印象に残っています。特にCHAGE and ASKAの楽曲は至る所で流れていましたし、「ちびまる子ちゃん」を見ていたので「おどるポンポコリン」は歌えました。

主な出来事(流行語)

  • 元年(セクハラ):ゲームボーイ発売、ハンディカム発売、女子高生コンクリート詰め殺人事件、村上春樹『ノルウェイの森』刊行
  • 2年(ちびまる子ちゃん):スーパーファミコン発売、『ちびまる子ちゃん』放送開始、日経平均2万円突破、ベルリンの壁崩壊、ソ連崩壊、冷戦終結
  • 3年(……違います?):千代の富士引退、カルピスウォーター発売、ジュリアナ東京、宮沢りえ『Santa Fe』発売、『ストリートファイターII』稼働開始、『東京ラブストーリー』放送
  • 4年(きんさんぎんさん):スーパーマリオカート発売、佐川急便事件、MD(ミニディスク)発売、G-SHOCK発売、明石家さんま離婚、『ドラゴンクエストV』発売
  • 5年(Jリーグ):金丸信逮捕、Jリーグ開幕、人工スキー場「ザウス」開業、レインボーブリッジ開通、五木ひろし癌で死去、ドーハの悲劇

正直、子供だったのでそれほど懐かしいという感覚は薄いですが、ほとんど覚えています。個人的に最も印象的だったのは、ゲームボーイとスーパーファミコンの発売です。

子供だったので許してほしいのですが、当時スーパーファミコンが死ぬほど欲しかった。しかし、ゲームボーイをやりすぎて視力が落ち、眼科で診断書を書かれるほどだったため、ゲーム禁止令が出て買えませんでした。最初に買ったソフトは『スーパーマリオワールド』。あと父が買った『三國志II』。

当時、『三國志』の方が私には影響が大きかった。あれから約30年、こうしてブログ記事になっています。

同じゲームネタで言えば『ストリートファイターII』の衝撃も大きかった。当時はアーケード版しかなく、通うしかなかったのですが、バルログに全然勝てませんでした。

その後のJリーグ開幕はお祭り騒ぎでした。小学校の話題はJリーグ一色で、カズ、ラモス、ジーコなど様々な選手が話題になりましたが、気づけばJリーグ中継は地上波から消えました。そもそも野球中継すら減りました。

子供だったので、冷戦とかベルリンの壁崩壊とか、バブルが弾けて景気が悪くなったとか、実感としては分かりませんでした。子供にとっては、ベルリンの壁崩壊より千代の富士の引退の方が衝撃的でした。

しかし、深夜まで起きて見ていた「ドーハの悲劇」は、子供心に凄まじい印象を残しました。あの頃から考えると、日本代表は確実に強くなったと思います。

1994年〜1998年(平成6年〜10年)

年間CD売上1位

  • 6年:innocent world / Mr.Children
  • 7年:LOVE LOVE LOVE / DREAMS COME TRUE
  • 8年:名もなき詩 / Mr.Children
  • 9年:CAN YOU CELEBRATE? / 安室奈美恵
  • 10年:However / GLAY

CDセールス全盛期で、この頃はミリオンヒットが連発していました。音楽番組が毎日あり、歌番組、カウントダウンTV、ミュージックステーションなどをよく見ていました。

ブックオフでCDを買い漁り、アルバムだけでなくシングルもよく買いました。最初に買ったのはスピッツの「ロビンソン」でした。

小室哲哉楽曲が無双だった時代。「無双」という言葉がぴったりな安室奈美恵、globe、華原朋美、TRFなどが席巻しました。小室ファミリー、ビーズ、SMAP、SPEED、Mr.Children、サザンが常にオリコン上位を占め、音楽が生活の中心でした。

主な出来事(流行語)

  • 6年(同情するなら金をくれ):『家なき子』放送、PlayStation発売、セガサターン発売、『なんでも鑑定団』開始、イチローシーズン200安打達成、ジュリアナ東京閉店、大江健三郎ノーベル文学賞受賞、成田ブライアン三冠達成、松本人志「手紙」開始、PL法施行、セガサターンペナルティ条項削除、コギャルブーム、『金田一少年の事件簿』ドラマ化、Windows 95発売
  • 8年(ドラマチック):O-157騒動、『名探偵コナン』放送開始、羽生善治七冠達成、東京ビッグサイト開業、『SMAP×SMAP』開始、プリクラブーム、マジカルバナナファッション、エアマックスファッション、『ロングバケーション』放送
  • 9年(ラクエン):酒鬼薔薇聖斗事件、ペルー日本大使公邸占拠事件、『もののけ姫』公開、ルーズソックス流行、山一証券破綻、プリウス発売、たまごっちブーム、『踊る大捜査線』放送、『ファイナルファンタジーVII』発売
  • 10年(だちゅうの):大手企業・銀行の相次ぐ破綻、自殺者3万人超え、和歌山カレー毒物事件、貴乃花・若乃花が史上初の兄弟横綱、松坂大輔が甲子園でノーヒットノーラン、エルニーニョ現象で世界平均気温が観測史上最高、ドラマ『GTO』放送

この5年間は凄まじい5年だったと言えます。6〜7年は明るいニュースも多かったですが、7年に阪神・淡路大震災とオウム真理教地下鉄サリン事件が起き、世の中が一気に暗くなりました。

特に山一証券の破綻は象徴的で、日本の衰退が鮮明になり、企業倒産が相次ぎ、自殺者が前年比8000人増というディストピアのような様相を呈しました。「将来のために」という価値観が完全に消え、「コギャル」のように瞬間を楽しむ生き方が持て囃されるようになりました。

そんな中、1997年の神戸須磨区連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇事件)が日本中を震撼させ、時代の閉塞感を誰もが感じるようになりました。あれから20年以上経っても、日本経済は本格的な回復を見せていません。

エルニーニョ現象に見られるように地球温暖化問題が深刻化し、全ての問題を後世に押し付ける政治が続き、日本の借金は加速しました。世紀末が近づいているせいか、暗い世相でした。Mr.Childrenの名盤『BOLERO』などは、この頃の社会情勢を強く反映していると言えます。

1999年〜2003年(平成11年〜15年)

年間CD売上1位

  • 1999年:だんご3兄弟 / 速水けんたろう 他
  • 2000年:TSUNAMI / サザンオールスターズ
  • 2001年:Can You Keep A Secret? / 宇多田ヒカル
  • 2002年:「H」 / 浜崎あゆみ
  • 2003年:世界に一つだけの花 / SMAP

突然、小室ファミリーが消えました。特に大きな事件があったわけでもなく、気づいたらいなくなっていました。音楽の移り変わりは激しいものです。

この頃、ウッチャンナンチャンの『ウリナリ』で「未来日記」というコーナーが人気で、男女があらかじめ書かれた日記通りに行動する企画のタイアップ曲「TSUNAMI」「SAKURAドロップス」が大ヒット。どちらもダブルミリオンを記録しました。ちなみに私も見ていました。

CDがまだ売れていた時代、『HERO』主題歌の「世界に一つだけの花」、『僕の生きる道』主題歌の「TSUNAMI」など、SMAP関連曲が大ヒットしました。この頃「SMAPが解散する」と言ったら誰も信じなかったでしょう。

トップではないものの、SPEEDもこの頃音楽シーンを席巻していました。宇多田ヒカル、SPEED、倉木麻衣などが人気でしたが、全体的にCD売上が徐々に減少し始めた時代でもあります。

主な出来事(流行語)

  • 1999年(リベンジ):コギャル、PHS、国旗国歌法制定、非正規雇用拡大、『スター・ウォーズ エピソード1』公開、森遥香逮捕、ノストラダムスの大予言
  • 2000年(お):シドニー五輪、新潟少女監禁事件、森喜朗首相の失言連発、みずほフィナンシャルグループ設立、世田谷一家殺害事件、大江戸線開業
  • 2001年(ワイドショー内閣):小泉内閣発足、省庁再編、USJ開業、三井住友銀行誕生、UFJホールディングス発足、東京ディズニーシー開業、アメリカ同時多発テロ、愛子さま誕生、初代iPod発表・発売、田中真紀子外相更迭、Xbox発売、ゆとり教育開始、日韓共催W杯決定
  • 2003年(なんで?):SARS流行、貴乃花引退、朝青龍横綱昇進、りそな銀行設立、千と千尋の神隠しアカデミー賞受賞、日本郵政公社発足、スーパーフリー事件、日本テレビ視聴率不正操作事件、ICOCA運用開始、ドラマ『白い巨塔』放送

私にとっての暗黒時代。正直、あまり思い出したくない時期です……。

日韓W杯以外は暗い話題ばかり。銀行や省庁が次々と合併・再編され、日本経済は沈む一方。そんな中、ビン・ラディンのテロで世界は再び大きな戦争へ向かいました。

W杯では判定に疑問もありましたが、ジダン、ロナウド、カーン、ベッカムといったスター選手が来日したこと自体が凄まじい興奮でした。

貴乃花の引退は時代の転換点となり、朝青龍の無双が始まります。スポーツ界からスター選手がいなくなり、スポーツ番組が激減。W杯の盛り上がりとは裏腹に、国内スポーツ文化は停滞しました。

この頃からいわゆる「非正規雇用」が増え、日本経済の先行きは不透明に。倒産寸前だったAppleがiPodを発売し、ウォークマンの牙城が崩れ始めました。一つの時代が終わり、新しい時代が始まった瞬間でした。

2004年〜2008年(平成16年〜20年)

年間CD売上1位

  • 2004年:瞳をとじて / 平井堅
  • 2005年:Real Face / KAT-TUN
  • 2006年:千の風になって / 秋川雅史
  • 2007年:truth / 嵐
  • 2008年:Believe / 嵐

並べてみるとジャニーズの強さが目立ちます。しかし令和になれば嵐は活動休止、KAT-TUNも半分以下の人数に……。

主な出来事(流行語)

  • 2004年(チョー気持ちいい):アテネ五輪、オレオレ詐欺多発、ライブドアと楽天がプロ野球参入、冬のソナタに代表される韓流ブーム
  • 2005年(予想の斜め上):ライブドアによるフジテレビ買収騒動、JR福知山線脱線事故
  • 2006年(イナバウアー):ライブドア事件、ハンカチ王子(斎藤佑樹)、北朝鮮核実験、モバゲータウン流行、三菱東京UFJ銀行誕生、WBC日本優勝
  • 2007年(どげんかせんといかん):レギュラーガソリン150円超え、東国原英夫宮崎県知事誕生、小島よしお「そんなの関係ねぇ」流行、ネットカフェ難民、ドラマ『華麗なる一族』
  • 2008年(グー!、アラフォー):北京五輪、ゲリラ豪雨増加、『崖の上のポニョ』公開、小室哲哉逮捕

こうして見ると、ワンフレーズ芸人の需要が高まってきたのが分かります。長い目で見れば暗いニュースばかりなので、その場限りで楽しもうという傾向が強まったのかもしれません。

ライブドア関連のニュースが毎日ワイドショーを賑わせました。プロ野球参入からフジテレビ買収騒動、そして逮捕まで、当時色々考えさせられました。ライブドアショックで経済が一気に悪化した印象があります。大企業の倒産・合併は相変わらずでしたが、不思議と世の中全体が暗い雰囲気ではなかったように思います。気のせいかもしれませんが。

久々に小室哲哉の名前を見たら、5億円詐欺事件……。一度上げた人間のレベル、生活水準、金銭感覚を下げるのは難しいものです。

2009年〜2013年(平成21年〜25年)

この辺りからCD売上ランキングは割愛します。AKB48関連が1位を独占するようになり、半分以上知らない曲ばかりになったからです。この頃から明確に「国民的音楽」が消えたと感じます。

主な出来事(流行語)

  • 2009年(政権交代):マイケル・ジャクソン死去、村上春樹『1Q84』刊行、草彅剛逮捕、酒井法子逮捕、民主党が衆院選で大勝
  • 2010年(ゲゲゲ):鈴木章・根岸英一ノーベル化学賞、バンクーバー五輪、映画『アヴァター』公開、記録的猛暑、小惑星探査機「はやぶさ」帰還
  • 2011年(なでしこジャパン):東日本大震災、なでしこジャパンW杯優勝、ニンテンドー3DS発売、上野動物園にパンダ「リーリー」「シンシン」来園、地デジ完全移行
  • 2012年(ワイルドだろぉ?):山中伸弥教授ノーベル生理学・医学賞、ロンドン五輪、吉田沙保里国民栄誉賞、東京スカイツリー開業
  • 2013年(おもてなし):田中将大16連勝、赤崎勇・天野浩・中村修二ノーベル物理学賞、ノーベル賞受賞者が増え始める

民主党政権が誕生しましたが、全く機能しませんでした。日経平均は1万円を割り込み、経済は酷い状態でした。マイケルの死、草彅剛の逮捕は衝撃的でしたが、酒井法子は子供を連れて逃亡したことでさらに衝撃を受けました。上海に行った際、中国人から「ノリピー大丈夫?」と聞かれたのを覚えています。

そして何と言っても東日本大震災。親戚の家が流され、心身ともに大きなダメージを受けました。若い頃に訪れた港町が跡形もなくなっていたのは、言葉になりません。生きているだけで儲けもの、と思わされた出来事でした。

2014年〜2018年(平成26年〜30年)

主な出来事(流行語)

  • 2014年(ダメよ~ダメダメ):W杯ブラジル大会、消費税8%へ引き上げ、ソチ五輪
  • 2015年(爆買い):白鵬が歴代最多優勝、イスラム国による日本人殺害、大村智ノーベル生理学・医学賞、梶田隆章ノーベル物理学賞、マイナンバー制度開始、SMAP解散
  • 2016年(神):熊本地震、映画『君の名は。』大ヒット、バスタ新宿開業
  • 2017年(よこづな):藤井聡太14歳で史上最年少プロ棋士誕生、Nintendo Switch発売、2ちゃんねるが5ちゃんねるへ
  • 2018年(そだねー):TOKIO山口達也書類送検、安室奈美恵引退、平昌五輪、W杯ロシア大会

『笑っていいとも!』の終了とSMAPの解散は、まさに一つの時代の終わりを象徴していました。一方で、史上最年少プロ棋士の誕生など、新世代の台頭も目立ちました。

「平成」という一つの時代が終わり、これからは新しい人々が活躍していくのでしょう。

総括

すみません、疲れました……。今日は体調が悪く、記事を仕上げるのが精一杯でした。まるで漏らしたり山だったり……。

最後に、この動画を見て平成を振り返ってみてください。

令和が良い時代になりますように。