1882年5月6日、アメリカ合衆国のチェスター・A・アーサー大統領は「排華法(Chinese Exclusion Act)」に署名し、連邦法として成立させました。この法律は、人種や出身国を理由に移民を制限した、アメリカ史上初めての重要な法律として知られています。
排華法の主な内容
排華法は、中国人労働者の移民を10年間停止することを定めました。さらに、すでにアメリカ国内に居住していた中国人労働者についても、帰化による市民権の取得を禁止しました。
背景:なぜ排華法が成立したのか
19世紀後半、ゴールドラッシュや大陸横断鉄道の建設をきっかけに、多くの中国人がアメリカへ渡りました。しかし、経済不況の中で雇用をめぐる対立が激化し、中国人移民に対する差別的な世論が急速に高まっていきました。こうした反中国人感情の高まりを背景に、排華法は成立したのです。
最高裁判決とその後の影響
この法律は後に連邦最高裁判所によって支持され、その正当性が認められました。排華法は当初10年間の時限立法でしたが、1892年のギアリー法(Geary Act)によって延長され、1902年には事実上無期限化されました。
廃止までの道のり
排華法は約60年間にわたって存続しました。第二次世界大戦中の1943年、中国がアメリカの同盟国となったことを受け、マグヌソン法(Magnuson Act)によりようやく廃止されます。この歴史は、アメリカにおける移民政策と人種問題を考える上で、今なお重要な教訓となっています。