外部勢力による植民地化を一度も経験せず、近代以前の先住民王国の境界線を今日まで受け継いできた、世界でも数少ない国。その答えがブータンです。
なぜブータンなのか
ブータンはヒマラヤ山脈東部、インドと中国(チベット)にはさまれた小さな王国です。17世紀にシャブドゥン・ガワン・ナムギャルがチベット系の政治・宗教体制を確立して以来、独自の国家としての歴史を一貫して歩んできました。
植民地化を免れた珍しい歴史
19世紀から20世紀初頭にかけて、アジアの多くの国々がイギリスやフランスなどの列強によって植民地とされた中、ブータンは完全な植民地となることを回避しました。1910年のプナカ条約では外交面での指導権をイギリス(後にインド)に委ねる代わりに内政の自治を守り、主権を失うことはありませんでした。
近代以前の王国からの連続性
1907年にはウォンチュク王朝が成立し、現在まで同王朝による君主制が続いています。国境線も近世の王国時代の領域をおおむね引き継いでおり、こうした歴史的連続性を持つ国は世界でも極めて稀です。
まとめ
「外部勢力に植民地化されず、先住王国の境界を受け継ぐ中央アジアの国」という問いへの答えはブータンです。地理的にはヒマラヤ東部に位置し南アジアに分類されることも多いものの、チベット文化圏との深いつながりを持つこの国は、アジアで数少ない「植民地化されていない国」として広く知られています。