アジアの歴史

殷(商)王朝の主要都市とは?殷・隞・西亳・鄭州をわかりやすく解説

殷(商)王朝は、およそ紀元前1600年から紀元前1046年にかけて、中国の黄河流域を中心に繁栄した古代王朝です。長い歴史の中で都はたびたび移され、王朝の政治や文化を支えた重要な都市が数多く存在しました。この記事では、殷王朝を代表する主要都市を紹介します。

殷王朝の主要都市

殷(いん)| 現在の安陽

殷は、盤庚王が都を移して以降、王朝後期の首都となった都市です。現在の中国・河南省安陽市に位置し、「殷墟(いんきょ)」と呼ばれる遺跡からは、甲骨文字が刻まれた亀甲や獣骨が大量に出土しています。これらは殷王朝の実在を裏付ける貴重な資料であり、殷は王朝後期における最も重要な都でした。

隞(あおう)

隞は、王朝初期に都とされた都市の一つです。現在の河南省鄭州市周辺に比定されることが多く、王朝早期の政治拠点として機能していました。

西亳(せいはく)

西亳は、初代の湯王が都としたと伝えられる都市で、現在の河南省洛陽市偃師区付近に比定されています。王朝初期の中心地であり、大規模な宮殿跡が見つかった偃師商城との関連が注目されています。

鄭州(ていしゅう)

鄭州も殷王朝前期の主要都市の一つです。現在の河南省鄭州市には、巨大な城壁を備えた「鄭州商城」遺跡があり、初代の都「亳(はく)」ではないかとする説もあります。青銅器などをはじめとする豊かな出土品から、当時の高度な文化がうかがえます。

まとめ

殷王朝は都を幾度も移しながら約550年間続き、殷(安陽)、隞、西亳、鄭州といった都市がその歴史を今に伝えています。特に安陽の殷墟から出土した甲骨文字は、中国古代史研究における最重要資料の一つです。