第一次世界大戦勃発時のウィルソンの「中立政策」
第一次世界大戦が勃発した当初、アメリカ合衆国のウッドロウ・ウィルソン大統領は中立政策を支持していました。ウィルソンは、アメリカを戦争に巻き込まないことを最優先としながらも、単に傍観者にとどまるのではなく、交戦する各国間の仲介者(調停者)としての役割を果たせるよう期待していました。
中立政策を支えた国内世論
この政策は、当時のアメリカ国内で広く浸透していた世論とも見事に一致していました。多くの国民は、アメリカが海外の紛争に深入りすべきではないと考えており、遠く離れたヨーロッパでの戦争から距離を置くことが国益にかなうという考え方が主流だったのです。
実際、ウィルソンは1916年の大統領選挙で「彼は私たちを戦争から守ってくれた(He kept us out of war)」というスローガンを掲げて再選を果たしており、中立政策がいかに国民の支持を得ていたかがわかります。
その後の展開
しかし、ドイツによる無制限潜水艦作戦や「ツィンメルマン電報事件」などを経て、アメリカは1917年に連合国側として参戦することになります。それでも、大戦初期におけるウィルソンの中立政策は、アメリカ外交史において重要な転換点として位置づけられています。