アジアの歴史

朝鮮戦争:マッカーサー元帥の中国爆撃要請を、トルーマン大統領はなぜ拒否したのか

朝鮮戦争において国連軍の最高司令官を務めたのは、ダグラス・マッカーサー元帥です。1950年10月、中国人民志願軍(CCF)が参戦して戦況が大きく変わると、マッカーサーは戦局を打開するための強硬策として、中国本土への空爆を検討するようになりました。

マッカーサー元帥の要請

マッカーサーは、ハリー・S・トルーマン大統領に対し、中国共産党軍による介入を阻止するために、中国国内の基地や補給線を爆撃する許可を与えるよう要請しました。彼にとって、国境を越えて攻撃してくる敵の後方を叩くことは、勝利のための当然の手段だと考えられていました。

トルーマン大統領が拒否した理由

しかし、トルーマン大統領はこの要請を拒否しました。当時、中国とソ連は同盟関係にあり、ソ連はすでに核兵器を保有していました。中国本土への攻撃は、ソ連を巻き込んだ世界的な全面戦争、すなわち第三次世界大戦の引き金になりかねないと判断したのです。

対立の末に訪れた解任

この軍事的な見解の相違は、二人の関係を決定的に悪化させました。マッカーサーが公の場で度々政府の方針に反する発言を行ったことを受け、トルーマン大統領は1951年4月にマッカーサーを解任しました。この決断は、軍事作戦が文民統制の下にあるというアメリカの憲政の原則を示す歴史的な出来事となっています。