はい、その通りです。1887年に制定されたドーズ法(Dawes Act)は、正式名称を「一般土地割当法」といい、ネイティブ・アメリカンをアメリカ主流社会へ同化させることを目的とした法律でした。この法律により、部族が共同で所有していた保留地(インディアン居留地)は個々の区画へと分割され、各家族にはおよそ160エーカー(約65ヘクタール)の土地が割り当てられることになりました。
ドーズ法の目的と背景
ドーズ法の背後には、「個人の土地所有制度を導入することでネイティブ・アメリカンを農業社会に組み込み、欧米型の生活様式へ同化させる」という政策思想がありました。連邦政府は、部族単位の共同体による土地の共有という伝統的な慣行を解体し、個人名義での土地保有を促すことで、彼らの文化的・社会的変革を図ろうとしたのです。
土地割当の仕組み
具体的な割当基準は以下の通りです。
- 世帯主:約160エーカー
- 独身者または孤児:約80エーカー
- 18歳未満の子ども:約40エーカー
さらに、割当を受けた個人に対しては一定期間後の米国市民権の付与も予定されていました。これは「農地を耕し、定住生活を送ることで市民としての資格を得る」という同化政策の一環でした。
ドーズ法がもたらした結果
しかし、この法律はネイティブ・アメリカンにとって壊滅的な影響をもたらしました。家族ごとの割当で余った土地は「余剰地」として白人入植者や鉄道会社などに売却されたため、部族が保有する土地は急激に減少しました。推計では、1887年から1934年までの間に、ネイティブ・アメリカンの土地は約1億3800万エーカーから約4800万エーカーへと、3分の2以上が失われたとされています。
また、共有地の分割は部族の伝統的な社会構造や文化の維持を困難にし、多くの部族コミュニティに深刻な貧困と社会的混乱をもたらしました。こうした弊害が認識される中、1934年のインディアン再組織法(ホイーラー・ハワード法)によってドーズ法による割当制度は廃止され、部族の自治と土地の回復が新たな政策方針となりました。