北米の歴史

アラスカの内陸部と南部に住む先住民族とは?「インディアン部族」という誤解と3つの主要グループ

結論から言うと、アラスカに住む先住民を「インディアンの部族」と呼ぶのは厳密には正しくありません。アラスカの先住民は、米国本土のネイティブ・アメリカン(インディアン)とは法的・文化的に区別され、「アラスカ先住民(Alaska Natives)」という独立したカテゴリーで扱われています。
アラスカ先住民には、イヌピアット、ユピック、アレウト(ウナンガン)、トリンギット、ハイダ、アサバスカンなど、実に多様な民族グループが含まれています。

内陸部と南部に暮らす主な先住民族

「内陸部」「南部」という地域区分に当てはめると、以下の3つのグループが該当します。

1. アサバスカン(内陸部)

アサバスカンの人々は、フェアバンクス周辺を中心としたアラスカ内陸部の広大なタイガ(針葉樹林)地帯に暮らしています。伝統的には狩猟や漁労、罠猟を営み、季節に応じて移動しながら生活してきました。言語学的には北米大陸に広く分布するアサバスカン語族に属し、ナバホ族やアパッチ族とも言語的なつながりがある点が興味深いところです。

2. トリンギット(南東部)

トリンギットは、アラスカ南東部のパンハンドル地域(いわゆる「南部」)に暮らす海洋民族です。印象的なトーテムポール文化で世界的に有名であり、複雑な階級社会と豊かな口承文学を持っていたことでも知られています。

3. ハイダ(南東部)

ハイダは、トリンギットと同じく南東部に居住し、優れた航海技術を持つ民族として知られています。現在はプリンス・オブ・ウェールズ島などにコミュニティを形成し、彫刻や織物などの伝統芸術を今も受け継いでいます。

「エスキモー」という呼称について

かつてアラスカ先住民を一括りに呼ぶ際に使われた「エスキモー」という言葉は、現在では不適切とされることが多く、イヌピアットやユピックなど、各民族固有の名称で呼ぶのが一般的になっています。同様に、アラスカ先住民を「インディアン」と呼ぶことも避けるべきとされています。

まとめ

アラスカの先住民は「インディアン部族」ではなく「アラスカ先住民」と総称されるのが正確です。その中でも、内陸部にはアサバスカン、南部(南東部)にはトリンギットとハイダが暮らしており、この3つのグループが質問の意図に最も近い存在だと言えるでしょう。