ペンシルバニア植民地は肥沃な土地と温暖な気候に恵まれ、多様な作物を生み出す農業の中心地として発展しました。ここでは、当時栽培されていた主要な作物を「穀物」「果物・野菜」「その他の作物」の3つに分けて詳しく解説します。
畑で育てられた主要な穀物
小麦
ペンシルバニアで最も重要な作物は小麦でした。小麦粉やパンの原料として不可欠であり、植民地全域で広く栽培されました。特に南東部の肥沃な谷あいやなだらかな丘陵地帯では大規模な栽培が行われ、ペンシルバニアが後に「アメリカのパンかご」と呼ばれる基礎となりました。
トウモロコシ
トウモロコシも植民地に欠かせない作物でした。人間の食料としてだけでなく、家畜の飼料としても重宝されました。収穫後はコーンミール(トウモロコシ粉)、ホミニー、コーンブレッドなどに加工され、日常の食卓を支えました。
大麦
大麦はビールの醸造を目的として栽培されました。ビールは当時の植民地で最も人気のある飲み物の一つであり、大麦は重要な原料でした。
エンバク(オート麦)
エンバクは主に家畜の飼料として栽培されました。また、時にはオートミールの原料として人間の食料にも利用されました。
ライムギ
ライムギは土壌改良のための被覆作物や家畜の飼料として栽培される一方、パン用の粉にひいて利用されることもありました。
果物と野菜
リンゴ
リンゴは植民地で最も重要な果物の一つでした。生で食べるほか、乾燥させて長期保存したり、サイダー(りんご酒)に加工したりと、幅広く活用されました。
モモ
モモも人気の高い果物でした。旬の時期には生食が楽しめ、余った分は保存食として加工され、後日の食卓に供されました。
ナシ
ナシもペンシルバニアで栽培されていた果物で、生食のほかに加熱調理して食べられることもありました。
サクランボ
サクランボは生食のほか、ジャムや保存食品の材料としても利用され、家庭の味を豊かにしました。
野菜
そのほか、キャベツ、カブ、ニンジン、タマネギ、豆類など、さまざまな野菜が畑や家庭菜園で育てられ、日々の食生活を支えていました。
その他の作物
麻(ヘンプ)
麻は丈夫な繊維を採取するために栽培されました。その繊維はロープ、織物、衣類の製造に使われ、暮らしに欠かせない素材となっていました。
亜麻
亜麻も繊維を目的として栽培され、リンネル(亜麻布)の原料として衣類や家庭用品の制作に役立てられました。
タバコ
タバコは植民地の一部地域で栽培されましたが、プランテーション農業が盛んな南部植民地ほど大きな経済的役割を果たすことはありませんでした。
まとめ
ペンシルバニア植民地では、小麦をはじめとする穀物を中心に、果物、野菜、繊維作物まで実に多彩な作物が栽培されていました。こうした多様な農業生産こそが、ペンシルバニアを北米有数の穀倉地帯へと発展させた原動力だったのです。