1787年にフィラデルフィアで開催された憲法制定会議(制憲会議)が召集された唯一かつ明確な目的は、連合規約(邦条項、Articles of Confederation)を改正することでした。
連合規約とは何か
連合規約は、アメリカ独立戦争中の1777年に採択され、1781年に発効した、アメリカ最初の成文憲法です。しかし、この規約の下では中央政府(連合会議)の権限が極めて弱く、課税権や通商規制権を持たず、各州がほぼ独立国家のように振る舞っていました。その結果、財政難、州間の貿易摩擦、シェイズの反乱(1786〜87年)といった問題が相次ぎ、国家としての統一性が危ぶまれる状況になっていました。
会議の公式な目的と実際の展開
連合会議は1787年2月、「連合規約を修正するため」の会議開催を承認しました。つまり、公式にはあくまで既存の規約の「改正」が会議の目的とされていたのです。
ところが、ジョージ・ワシントンを議長とし、ジェームズ・マディソンやアレクサンダー・ハミルトンらが参加したこの会議は、まもなく規約の部分的な修正では不十分であるとの認識で一致します。結局、代議員たちは秘密裏に議論を重ねた末、連合規約を廃止し、三権分立を基盤としたまったく新しい憲法を起草することになりました。こうして誕生したのが、同年9月に署名され、1788年に批准されたアメリカ合衆国憲法です。
まとめ
要するに、1787年の憲法制定会議が招集された際に定められた唯一の明確な目的は連合規約の改正でしたが、実際の会議ではそれを大きく超え、新しい連邦憲法の創設へと発展していったのです。