裏面に船が描かれたアメリカのニッケル硬貨の正体
裏面に船のマークが付いたアメリカの5セント硬貨(ニッケル)をお持ちなのですね。その正体を知るうえで欠かせないのが、アメリカ海軍の歴史的な名艦「USS コンスティテューション(USS Constitution)」です。この記事では、同艦の歴史とともに、船のデザインが施されたニッケル硬貨について詳しく解説します。
USS コンスティテューションとは
USS コンスティテューションは、「オールド・アイアンサイズ(Old Ironsides)」という愛称で広く親しまれている、アメリカ海軍の3本マスト・木造船体の大型フリゲート艦です。1797年に進水し、フランスとの擬似戦争や第一次バーバリ戦争に従軍しました。
1812年戦争(米英戦争)では、イギリス海軍の軍艦5隻を撃破するという輝かしい戦果を挙げています。敵の砲弾が厚いオーク材の船体を跳ね返したことから、「鉄の船のように堅い」という意味の愛称「オールド・アイアンサイズ」が付けられました。
同艦は1881年まで現役任務を続け、その後ボストン海軍工廠で保管されました。1907年には海軍士官学校の練習艦として現役に復帰し、1931年に退役。現在はボストンのチャールズタウン海軍工廠で博物館船として保存・公開されており、今なお現役艦籍に残る世界最古級の軍艦として多くの人々に愛されています。
ニッケル硬貨に船が描かれることはある?
ここで重要なポイントです。1938年以降に発行されている通常のジェファーソン・ニッケルの裏面に描かれているのは、トーマス・ジェファーソンの邸宅「モンティチェロ」であり、USS コンスティテューションがレギュラーデザインとして採用されたことはありません。
裏面に船が描かれたニッケルをお持ちの場合、最も可能性が高いのは2004年に発行された「キールボート・ニッケル」です。これは、ルイス・クラーク探検隊によるルイジアナ買収・西部探検200周年を記念した「ウェストワード・ジャーニー」シリーズの1つで、以下のような特徴があります。
- 表面:トーマス・ジェファーソンの肖像
- 裏面:探検隊が使用した手漕ぎ帆船(キールボート)のデザイン
- 文字:「LOUISIANA PURCHASE」「LEWIS & CLARK」「FIVE CENTS」
また、2005年発行の記念デザインには、太平洋を望む場面を描いた「Ocean in View! O! The Joy!」なども採用されました。お手持ちの硬貨の発行年やデザインを確認してみてください。
まとめ
裏面に船が描かれたニッケル硬貨は、通常のモンティチェロデザインではなく、2004年のキールボートデザインである可能性が高いといえます。もしデザインが一致しない場合は、記念メダルや外国硬貨、民間発行のトークンの可能性もあります。硬貨の年号や刻印をよく確認すれば、思わぬ歴史や価値との出会いがあるかもしれません。