石炭に蓄えられたエネルギーの源は、実は太陽です。一見すると地下から掘り出されたただの黒い石のように思えますが、そのエネルギーは数億年という長い歳月をかけて、太陽から少しずつ集められたものなのです。
光合成で蓄えられた太陽のエネルギー
数億年前の地球では、巨大なシダ植物などをはじめとする豊かな植物が大地を覆い、繁茂していました。これらの植物は光合成によって太陽のエネルギーを吸収し、成長のためのエネルギーとして体内に蓄えていました。また、動物たちもそうした植物を食べることで、間接的に太陽のエネルギーを取り込んでいたのです。
地層の下で進んだ「石炭化」
やがてこれらの生物が死ぬと、その遺骸は湿地や沼などに堆積し、土砂の層の下へと埋もれていきました。その後、何百万年にもわたって地中の熱と強い圧力にさらされ続けます。この過程で有機物は水分やガス成分を失い、炭素分が濃縮されて、次第に石炭へと姿を変えていきました。この変化は「石炭化」と呼ばれています。
燃やすことでエネルギーが解放される
こうしてできあがった石炭には、かつて植物が光合成で取り込んだ太陽のエネルギーが、化学エネルギーとしてぎっしりと詰まっています。石炭を燃やすと、この蓄えられたエネルギーが熱や光として一気に放出されます。火力発電所などで石炭が利用されるのは、まさにこのためです。
つまり石炭とは、数億年前の太陽の光を「化石」として保存した、天然のエネルギー貯蔵庫なのです。