北米の歴史

「オー・カナダ」以前のカナダ国歌は何だったのか?

「オー・カナダ」以前のカナダの国歌

「オー・カナダ(O Canada)」が正式な国歌となる前、カナダで国歌として扱われていたのは、イギリスの国歌である「国王陛下万歳(God Save the King)」、あるいは女性君主の治世には「女王陛下万歳(God Save the Queen)」でした。在位する君主の性別によって呼び名が変わるのが特徴です。

英国からもたらされた王室賛歌

この楽曲は18世紀にイギリスで確立したもので、英国からの入植者たちによってカナダへ伝えられました。当時のカナダでは、公式式典や国家的な行事の際にこの曲が演奏され、「メープルリーフ・フォーエバー(The Maple Leaf Forever)」をはじめとする他の愛国的な楽曲とともに歌い継がれてきました。
興味深いことに、「国王陛下万歳」は現在も完全に廃止されたわけではありません。今日ではカナダの「王室賛歌(Royal Anthem)」として位置づけられており、王室に関連する公式の場面などで演奏されることがあります。

1980年、「オー・カナダ」が正式な国歌に

「オー・カナダ」は1880年に作曲されたフランス語の楽曲が起源ですが、長い間、広く親しまれる愛唱歌にとどまっていました。そして1980年7月1日、カナダ建国記念日(カナダ・デー)に合わせて、ついに正式な国歌として制定されました。
この制定により、英語圏とフランス語圏という二つの言語的・文化的伝統を併せ持つカナダならではのアイデンティティが、国歌の中に反映されることになったのです。