「疲労」という用語を考案した軍事史家とは?
南北戦争において北軍のユリシーズ・S・グラント将軍が用いたとされる「疲労(exhaustion)」という概念の用語を考案したのは、イギリスの軍事史家であり戦略思想家でもあるJ・F・C・フラー(J.F.C. Fuller)です。
J・F・C・フラーとはどんな人物?
ジョン・フレデリック・チャールズ・フラー(1878年~1966年)は、イギリス陸軍で少将まで務めた軍人であり、戦車戦や機甲戦理論の先駆者として世界的に知られています。退役後は軍事史の研究に専念し、『戦争指導論』をはじめ数多くの影響力ある著作を残しました。
「殲滅」と「疲労」という二つの戦略類型
フラーはその著作の中で、歴史上の戦略を「殲滅(annihilation)」と「疲労(exhaustion)」という二つの類型に分類する独自の分析枠組みを提唱しました。この分類において、南北戦争でのグラント将軍の作戦は、敵の兵力と資源を消耗させて勝利を目指す「疲労戦略」の典型例として位置づけられています。
まとめ
つまり、グラント将軍が実際に実行した消耗戦的な作戦を、後の時代に「疲労」という明確な戦略概念として定義したのが、イギリスの軍事史家J・F・C・フラーだということです。彼の業績は、現代の軍事学における戦略分析の基礎の一つとなっています。