北米の歴史

アメリカ独立戦争中、どれほどの人がイギリスに忠誠を誓い続けたのか?

独立戦争期の「ロイヤリスト」とは

アメリカ独立戦争(1775年〜1783年)の間、13植民地の人口のうちおよそ20〜25%がイギリス王室への忠誠を保ち続けたと推定されています。こうした人々は「ロイヤリスト(Loyalists)」、あるいは「トーリー(Tories)」と呼ばれ、革命を支持する愛国者(パトリオット)とは対立する立場にありました。

王党派の背景と忠誠の理由

ロイヤリストは特定の階級や地域に限られた存在ではなく、農民から商人、聖職者、役人まで、実に多様な背景を持つ人々で構成されていました。彼らがイギリスへの忠誠を貫いた理由も一様ではありません。

  • 経済的な利益: イギリス本国との貿易に依存していた商人や、王室からの特許・地位を享受していた人々にとって、独立は大きな損失を意味しました。
  • 宗教的な信念: 特に南部植民地の一部では、教会の権威が王室と結びついており、信仰上の理由から国王への忠誠を守る者が多くいました。
  • 政治的保守主義: 急進的な変革よりも秩序と安定を重視し、既存の統治体制を維持すべきだと考えた人々です。
  • 大英帝国への帰属意識: 自らを「イギリス人」としてアイデンティティを持ち、帝国の一員であることに誇りを感じていた層も少なくありませんでした。

戦後のロイヤリストの運命

独立戦争終結後、多くのロイヤリストは財産の没収や迫害を恐れて北米大陸を去りました。推計で6万人以上がカナダ(ノバスコシアやオンタリオ地方)、イギリス本国、あるいはカリブ海地域へ移住したといわれています。彼らの子孫は現在のカナダ社会の形成にも大きな影響を与えました。

このように、アメリカ独立戦争は単なる「イギリス対アメリカ」の戦いではなく、同じ植民地社会の中でも忠誠心をめぐって人々が分かれた内乱的な側面を持っていたのです。