アメリカ独立戦争(1775年〜1783年)の時代、イギリス領北米植民地の人々は「愛国者(パトリオット)」と「王党派(ロイヤリスト)」という二つの勢力に分かれました。両者を分けたのは、政治的な信念と、イギリス王室とアメリカ独立のどちらに忠誠を誓うかという点でした。
愛国者(パトリオット)とは
1. 政治的信念
愛国者の大多数は、イギリスからの独立と新しい国家の樹立を支持していました。彼らは自由、自治、共和主義といった理想を信じており、これらの理念こそが革命を推し進める原動力となりました。
2. 忠誠心
愛国者はアメリカ独立という大義に忠誠を捧げ、命や生活基盤を危険にさらすことさえ厭いませんでした。イギリス軍と戦い、イギリス当局の権威に公然と立ち向かうことで、自らの自由を勝ち取ろうとしたのです。
3. 社会的・経済的背景
愛国者には農民、商人、職人、専門職など、実に多様な階層の人々が含まれていました。出自はさまざまでしたが、自決への共通の渇望と、より平等な社会を築きたいという信念によって結束していました。
王党派(ロイヤリスト)とは
1. 政治的信念
王党派はイギリス王室と既存の植民地体制への忠誠を保ち続けました。独立そのものに反対していたか、あるいは独立は非現実的で不必要だと考えていたのです。彼らにとってイギリスは、安定・保護・経済的繁栄をもたらす存在でした。
2. 忠誠心
王党派はジョージ3世とイギリス帝国に忠誠を誓っていました。イギリスによる統治の恩恵を信じ、「母国」との手切れを望まなかった点が大きな特徴です。
3. 社会的・経済的背景
王党派には王室役人、大地主、商人、専門職など、社会の上層部に属する人が多く見られました。また、独立が既存の社会秩序を崩壊させ、混乱を招くことを恐れた人々も少なくありませんでした。
まとめ
ただし、ここで挙げたのはあくまで一般的な区分です。両陣営の内部にはそれぞれ違いや複雑な事情が存在しました。アメリカ独立戦争は、政治思想、個人的な利害、地域性、家族の絆など、多岐にわたる要因が絡み合った多面的な紛争だったのです。