北米の歴史

クララ・バートンは南北戦争でどちらの側を支援したのか?「戦場の天使」の功績と赤十字設立への道

アメリカ南北戦争(1861年〜1865年)におけるクララ・バートンの活動について、「南軍も助けたのでは?」と誤解されることがありますが、実際には彼女が主に支援したのは北軍(ユニオン側)です。本記事では、バートンが北軍を支援した理由と、その後の人道的活動の足跡をわかりやすく解説します。

クララ・バートンは北軍(ユニオン)を支援した

クララ・バートン(1821年〜1912年)は、マサチューセッツ州出身の元教師であり、南北戦争中は北軍の兵士たちを支える活動に身を捧げました。当時の女性が戦場に近づくこと自体が珍しい時代に、彼女は自ら物資を調達し、前線の野戦病院へ届けるなど、献身的な看護・救援活動を行いました。

その姿から、兵士たちや世間からは「戦場の天使」と呼ばれるようになりました。彼女が北軍を支援したのは、彼女自身が北部の住民であり、連邦(ユニオン)の維持を支持していたことが大きな理由です。

戦後の活動:行方不明兵士の捜索

戦争が終結すると、バートンの活動は止まりませんでした。リンカーン大統領の承認のもと、行方不明兵士局(Office of Missing Soldiers)を設立し、約6万3千人に上る行方不明となった北軍兵士の身元確認と、遺族への通知作業に尽力しました。この活動を通じて、数多くの家族が安否の情報を得ることができました。

アメリカ赤十字の設立

バートンの名を世界的に有名にしたのが、1881年のアメリカ赤十字社の設立です。ヨーロッパ滞在中に国際赤十字運動(ジュネーブ条約に基づく赤十字運動)と出会った彼女は、母国アメリカにもこの組織が必要だと確信しました。

帰国後、アメリカ赤十字社を創設し、初代総裁として23年間にわたり組織を率いました。彼女の指導のもと、アメリカ赤十字は戦時だけでなく、洪水やハリケーンなどの自然災害時の救援活動にも取り組むようになり、今日の災害救援体制の基礎が築かれました。

まとめ

クララ・バートンは南北戦争において北軍(ユニオン側)を主に支援した人物であり、南軍を助けたわけではありません。しかし、彼女の真の功績は特定の勢力のためだけのものではなく、国籍や立場を問わず苦しむ人々を救うという人道主義の精神にあります。「戦場の天使」と呼ばれたその献身は、アメリカ赤十字の設立へとつながり、現代の人道支援活動にも深い影響を与え続けています。