カベサ・デ・バカはガルベストン島で難破したのか?
よく知られた通説とは異なり、アルバル・ヌニェス・カベサ・デ・バカ(Álvar Núñez Cabeza de Vaca)がガルベストン島で難破したというのは正確な表現ではありません。彼の物語の始まりは、1527年に出航したナルバエス遠征に参加したことにあります。
1527年のナルバエス遠征
カベサ・デ・バカは、スペイン人探検家パンフィロ・デ・ナルバエスが率いる遠征隊の一員として、現在のアメリカ合衆国フロリダ州に上陸しました。しかし、この遠征は計画通りには進まず、食料不足や先住民との衝突、遭難などにより壊滅的な失敗に終わりました。
8年に及ぶ放浪の歳月
遠征の失敗後、カベサ・デ・バカはわずか3人の生存者とともに、現在のアメリカ合衆国内陸部にあたる広大な地域を横断することになります。彼らはさまざまなネイティブ・アメリカンの部族のもとで暮らしながら、交易や治療を行いながら生き延び、約8年の歳月をかけて西へと進みました。
この驚異的な旅の末、一行はついにメキシコシティへとたどり着きました。この経験は後に『難破記(ヌエボ・ムンドへの航海記)』として記録され、北米大陸の内陸部を歩いて横断した最初のヨーロッパ人の記録として、今日でも貴重な歴史資料となっています。