オセアニアの歴史

ギリシャ神話の巨神クロノスとは?神話・芸術・天文学に残るその足跡

クロノスとはどんな神?

クロノスは、ギリシャ神話に登場するティタン(巨神族)の一人です。天空神ウラノスと大地の女神ガイアの末息子として生まれ、後にゼウス、ポセイドン、ハデス、ヘスティア、デメテル、ヘラといった、第一世代のオリュンポスの神々の父となりました。

我が子を飲み込んだ王

クロノスはレアを妻としていましたが、「自分が父ウラノスを追い落としたように、いずれ我が子にも王座を奪われるのではないか」という恐怖に取り憑かれます。そこで彼は、子供が生まれるたびにそれを丸呑みにしてしまったのです。

次々と子供を奪われていくレアは深く悲しみ、末の子ゼウスが生まれたとき、布に包んだ石を「赤ん坊」と偽ってクロノスに飲み込ませるという計略を思いつきます。こうして難を逃れたゼウスは密かに育てられ、成長したのちにクロノスへ立ち向かい、腹の中に閉じ込められていた兄弟姉妹たちを救い出しました。

ティタノマキア――十年に及ぶ戦い

自由になった兄弟たちを率いたゼウスは、ティタン神族との壮絶な戦争(ティタノマキア)に突入します。この戦いは十年間続き、最終的にティタン族は敗北。こうしてオリュンポスの神々が世界の支配者として君臨することになったのです。

文学と芸術の中のクロノス

文学作品や美術作品において、クロノスはしばしば冷酷で専制的な支配者として描かれてきました。長い髭をたくわえた巨大な姿や、貪欲な食欲を持つ存在として表現されることもあれば、世界をぐるりと取り巻く蛇の姿で描かれることもあります。

また、クロノスはギリシャ神話中の数多くの物語の主役であり、ヘラクレスやペルセウス、アキレウスといった有名な英雄たちの祖先にあたる存在でもあります。

天文学に残るクロノスの名

クロノスの名は現代にも色濃く残っています。ローマ神話ではサトゥルヌスと同一視され、太陽系第六惑星「土星」の名前の由来となりました。さらに、一週間の第七日である「土曜日(Saturday)」も、この神にちなんだ呼び名です。