ジェームズ・クックはニュージーランドを発見していない
「キャプテン・クックがニュージーランドを発見した」という言い方がよく使われますが、これは正確ではありません。実は、ジェームズ・クックがニュージーランドに到達するよりもずっと前に、すでにヨーロッパ人の足跡がこの地に残されていたのです。
最初のヨーロッパ人はアベル・タスマン
ヨーロッパ人として初めてニュージーランドを目撃したのは、オランダ東インド会社に雇われた探検家アベル・タスマンであると広く認められています。1642年12月13日、タスマンは南島の西海岸沖で新たな陸地を視認しました。彼はこの土地を「スターテン・ラント」と名付けましたが、上陸には失敗し、先住民との衝突もあってそのまま北へ去っています。のちにこの地名は「ニュー・ゼーラント(新海州)」と改称され、現在のニュージーランドという国名の由来となりました。
クックの到達まで約127年
タスマンの視認から約127年後の1769年10月、イギリス海軍のジェームズ・クック中尉がエンデバー号でニュージーランドに到達しました。エンデバー号は1768年8月26日にイギリスのプリマス港を出港し、タヒチでの金星の太陽面通過観測という科学任務を果たした後、南太平洋へと進みました。出港からニュージーランド到着まで、航海にはおよそ1年2か月(約14か月)を要しています。
クックはその後、南北両島の海岸線を綿密に測量し、ニュージーランドが二つの主要な島から構成されていることを証明しました。この功績により、彼はニュージーランドの地図作成に多大な貢献をした人物として知られるようになりました。
ヨーロッパ人来航以前のニュージーランド
さらに重要なのは、ヨーロッパ人が到来する以前から、マオリの人々がこの地に暮らしていたという事実です。マオリの祖先は13世紀頃にポリネシアからカヌーで渡り、アオテアロア(ニュージーランド)に定住しました。つまり「発見」という表現は、あくまでヨーロッパ側の視点に基づくものだと言えます。
まとめ
ジェームズ・クックはニュージーランドの発見者ではなく、タスマンから約127年後に到達した後続の探検家です。ただし、彼の詳細な測量と記録によって、ニュージーランドの存在がヨーロッパ世界に広く知られるようになったことは間違いありません。