1990年代半ばは、世界貿易が急速なグローバル化の波に乗って大きく拡大していた時期です。この頃、輸出額の面で世界をリードしていたのは、高度な製造業と豊かな資源を持つ先進工業国が中心でした。ここでは、1990年代半ばにおける世界の主要輸出国トップ10をランキング形式でご紹介します。
1990年代半ばの輸出国ランキング トップ10
1位:ドイツ
自動車、機械類、化学製品などを中心とした高品質な製造業の輸出で、世界最大の輸出国の座を維持していました。「輸出大国ドイツ」と呼ばれた由縁です。
2位:アメリカ合衆国
航空機、農産物、ハイテク製品など、幅広い分野で圧倒的な輸出力を誇り、世界経済の中心的存在であり続けました。
3位:日本
自動車や電子機器をはじめとする技術力の高い製品で世界中に輸出し、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代の勢いを保っていました。
4位:フランス
航空機(エアバス)、ワイン、ファッションなどの贅沢品から重工業まで、多彩な輸出品目を持つ欧州の貿易大国でした。
5位:イタリア
産業用機械に加え、ファッション、家具、食品といった「メイド・イン・イタリー」ブランドの輸出が好調でした。
6位:カナダ
木材やエネルギー資源などの天然資源に加え、隣接するアメリカ市場向けの自動車輸出も大きな柱となっていました。
7位:イギリス
化学製品、医薬品、航空宇宙関連など、付加価値の高い製品の輸出に強みを持っていました。
8位:オランダ
ヨーロッパの玄関口であるロッテルダム港を擁し、中継貿易や再輸出の拠点として重要な役割を果たしていました。
9位:中国
改革開放政策の下で輸出主導型の経済成長を遂げており、この時期すでにトップ10入りを果たし、その後の躍進への布石となりました。
10位:ベルギー
EUの中核国として、アントワープ港を活用した物流拠点としての機能に加え、化学製品や金属製品の輸出が盛んでした。
当時の世界貿易の特徴
1990年代半ばの輸出ランキングを見ると、G7諸国を中心とした先進国が上位をほぼ独占していたことがわかります。一方で、中国がすでに9位に入っている点は注目に値します。その後、中国は2000年代に輸出額を急拡大させ、2009年にはドイツを抜いて世界一の輸出国となりました。このランキングは、世界の貿易構造が大きく転換する前夜を捉えたものと言えるでしょう。