「世界では1週間に何隻の船が沈没しているのか?」という疑問に対して、正確な数字をひとつに定めることはできません。沈没事故の発生数は、気象条件、海上交通量、事故の種類など、さまざまな要因によって日々変動するためです。
国際海上保険連合(IUMI)の統計から見える実態
ただし、参考となる公式データは存在します。国際海上保険連合(IUMI)の統計によると、2020年における100総トンを超える船舶の全損件数は約105隻でした。これを単純に換算すると、およそ週に2隻のペースで船が失われていることになります。
これらの全損事故には、主に以下のような原因が含まれます。
- 船舶同士の衝突(衝突事故)
- 座礁・乗り揚げ
- 火災や爆発
- 台風や暴風雨などの悪天候による海難
統計を読む際の注意点
こうした数値は年ごとに大きく変動します。ある時期には事故が集中し、別の時期には少なくなるなど、波がある点に留意が必要です。また、この統計は比較的大型の商船などを対象としているため、漁船やプレジャーボートといった小型船舶の沈没事故は必ずしも反映されていません。実際には、小型船を含めれば世界全体で失われる船の数はさらに多くなると考えられます。
長期的には減少傾向
興味深いことに、船舶の全損件数は数十年前と比べて大幅に減少しています。航海技術の向上、気象予報の精度アップ、安全規制の強化、通信技術の発展などにより、海難事故のリスクは着実に低減されてきました。それでもなお、毎年100隻前後の大型船が失われているという事実は、海運業界にとって依然として無視できない現状だといえるでしょう。