1776年、アメリカ独立宣言の起草を担うため、「起草委員会(Five)」として知られる5人の委員が大陸会議によって選出されました。彼らはそれぞれ異なる地域出身で、弁護士、科学者、外交官など多彩な経歴を持つ人物ばかりでした。この多様性こそが、独立宣言が植民地全体の意見や関心を反映した文書となった大きな要因です。
独立宣言起草委員会の5人のメンバー
1. トーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)
バージニア州出身の弁護士兼プランテーション経営者で、独立宣言の主執筆者として最もよく知られています。バージニア植民地議会(House of Burgesses)の議員を務め、大陸会議の代議員としても活躍しました。後にはアメリカ合衆国第3代大統領に就任しています。
2. ジョン・アダムズ(John Adams)
マサチューセッツ州出身の弁護士・政治家で、イギリスからの独立を最も強く主張した一人でした。大陸会議の代議員として中心的な役割を果たし、独立後はアメリカ合衆国初代副大統領、そして第2代大統領に選出されました。
3. ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)
ペンシルベニア州出身の印刷業者、科学者、外交官であり、アメリカ啓蒙思想を代表する人物です。大陸会議の代議員を務めたほか、建国後にはアメリカ合衆国初代郵政長官に任命されました。電気に関する研究でも世界的に有名です。
4. ロジャー・シャーマン(Roger Sherman)
コネチカット州出身の弁護士・政治家で、大陸会議の代議員として独立運動に貢献しました。建国後はアメリカ合衆国下院議員および上院議員に選出され、憲法制定にも深く関わった人物です。
5. ロバート・R・リビングストン(Robert R. Livingston)
ニューヨーク州出身の弁護士・政治家で、大陸会議の代議員を務めました。建国後にはアメリカ合衆国初代外務長官(Secretary of Foreign Affairs)に任命され、初期のアメリカ外交の基盤を築きました。
多様性がもたらしたもの
この5人は、北部から南部まで異なる地域と利害関係を持つ各植民地を代表していました。ジェファーソンの優れた文筆力、アダムズの強い独立への意志、フランクリンの知恵と人望、シャーマンの実務的判断力、そしてリビングストンの外交的視点が組み合わさることで、独立宣言は単なる一地方の主張ではなく、全アメリカ人の考えと懸念を映す歴史的文書となったのです。