「RMS」とは何を意味する略称か
「RMSタイタニック」の「RMS」は、「Royal Mail Ship(ロイヤル・メール・シップ)」の略称です。これはイギリスの海運会社であるホワイト・スター・ラインが、王立郵便局との契約に基づき、郵便物と乗客の輸送を担う船舶に付けていた正式な接頭辞でした。
当時、王立郵便の契約を結んでいることは、船会社にとって信頼性と権威の証とされており、「RMS」の称号はまさにそのステータスを示すものでした。つまり、タイタニック号は単なる豪華客船ではなく、国家公認の郵便輸送船でもあったのです。
「タイタニック」という名前を選んだのは誰か
船名「タイタニック」を命名したのは、ホワイト・スター・ラインの会長であったJ・ブルース・イスメイ(J. Bruce Ismay)です。彼はギリシャ神話に登場する巨人の神々「ティタン(タイタン)」から着想を得て、この名前を選びました。
ティタンは、天空神ウラノスと大地の女神ガイアの子どもたちであり、圧倒的な力を持つ巨大な存在として知られています。イスメイは、この神話上の巨人たちのイメージが、世界最大級の客船として建造されたタイタニック号の規模と壮大さを見事に表現できると考えたのです。
命名に込められた想い――強さと不滅の象徴
イスメイが「タイタニック」という名前に託したのは、力強さ、威厳、そして不滅性というイメージでした。「不沈船」として世間に喧伝された同船の姿勢は、この船名にも如実に表れています。
ちなみに、タイタニック号と同じオリンピック級の姉妹船には「オリンピック号」や「ブリタニック号」という名前が付けられており、古典的な名称を用いて船の格の高さを演出するのは、ホワイト・スター・ラインの伝統的な命名方針でもありました。
まとめ
「RMSタイタニック」という船名は、王立郵便の契約船であることを示す「RMS(Royal Mail Ship)」と、ギリシャ神話の巨人神に由来する「タイタニック」が組み合わさったものです。巨大さと権威、そして揺るぎない強さへの憧れが込められたこの名前は、史上最も有名な客船の象徴として今も人々に記憶され続けています。