オセアニアの歴史

史上初の世界一周を成し遂げた船はどれ?マゼラン艦隊とビクトリア号の軌跡

世界で初めて地球を一周した船

人類史上初めて地球を一周することに成功した船は、ポルトガル出身の探検家フェルディナンド・マゼランが率いた探検船隊の一隻、「ビクトリア号(Victoria)」です。この偉業は16世紀前半、大航海時代の最中に達成されました。

1519年、5隻・約270人の大遠征が出発

遠征は1519年、スペインの港から出航しました。艦隊はトリニダード号、サン・アントニオ号、コンセプシオン号、サンティアゴ号、そしてビクトリア号の計5隻で構成され、乗り組んだ船員は約270名にのぼりました。彼らの目的は、西洋から西回りでスパイス諸島(モルッカ諸島)へ到達する新しい航路を見つけることでした。

艦隊は南米大陸南端の険しい海峡(後の「マゼラン海峡」)を抜け、ヨーロッパ人として初めて太平洋へと進出します。穏やかな海面に感銘を受けたマゼランは、この大洋を「マル・パシフィコ(平和な海)」と名付けました。

マゼランの死、それでも航海は続く

しかし、航海の道のりは過酷を極めました。1521年、マゼラン自身はフィリピンのマクタン島で起きた現地住民との戦闘(マクタン島の戦い)で命を落としてしまいます。

それでも遠征は終わりませんでした。指揮を引き継いだフアン・セバスティアン・エルカノのもと、ビクトリア号は航海を続行。インド洋を回り、アフリカ南端を経由して、ついに1522年にスペインへ帰還を果たしました。

帰還したのはわずか18名

3年近い航海を生き延びて帰還できたのは、出発時の約270名のうちわずか18名でした。壊血病や飢え、嵐、現地での紛争など、多くの乗員が途中で命を落としたのです。

ビクトリア号の帰還は、地球が本当に球体であることを実証する歴史的な出来事となりました。この航海は、世界の地理に対する人類の理解を一変させ、その後の大航海時代の発展に大きな影響を与えたのです。