アメリカ南北戦争(1861年〜1865年)が終結した直後の1869年、女性の参政権獲得を目指す2つの主要な団体が設立されました。両団体は同じ目標を掲げながらも、活動方針や戦略において大きな違いがありました。
1. 全米女性参政権協会(NWSA)
National Woman Suffrage Association(NWSA、全米女性参政権協会)は、スーザン・B・アンソニー(Susan B. Anthony)とエリザベス・キャディ・スタントン(Elizabeth Cady Stanton)という2人の著名な活動家によって率いられました。
NWSAはニューヨークを拠点とし、より急進的な路線を採用していました。連邦レベルでの憲法修正による女性参政権の実現を目標とし、女性の権利全般に関する幅広い改革にも取り組みました。
2. アメリカ女性参政権協会(AWSA)
American Woman Suffrage Association(AWSA、アメリカ女性参政権協会)は、ルーシー・ストーン(Lucy Stone)とジュリア・ウォード・ハウ(Julia Ward Howe)によって率いられました。
AWSAはボストンを拠点とし、より穏健なアプローチを選択しました。各州ごとの選挙運動を通じて段階的に女性の投票権を勝ち取ることを重視し、主に参政権問題に焦点を絞った活動を行いました。
分裂の背景とその後の統合
この2つの団体への分裂は、黒人男性に投票権を与えた憲法修正第15条に女性の参政権が含まれなかったことへの対応の違いが一因でした。しかし、約20年間にわたる別々の活動を経て、1890年に両団体は統合し、全米アメリカ女性参政権協会(NAWSA)が誕生しました。この統合により、アメリカにおける女性参政権運動はさらに強力な勢いを増し、1920年の憲法修正第19条成立による女性投票権の実現へとつながっていきました。