南アメリカの歴史

1860年のアメリカ最大の輸出品は「綿花」――全輸出の57%超を占めた背景とは

1860年、アメリカ合衆国から最も高額な輸出品だったのは綿花(コットン)です。この年、綿花は米国の総輸出額の57%以上を占め、圧倒的な主力商品として国内経済を支えていました。

「キング・コットン」と呼ばれた綿花の力

南北戦争以前の時代、綿花はあまりに大きな経済的影響力を持っていたため、「キング・コットン(King Cotton)」という言葉で象徴されるほどでした。南部諸州では綿花プランテーションが急速に拡大し、イギリスやフランスなどの欧州諸国の紡績産業へ大量に輸出されていました。

綿花が支えた経済構造

当時、世界の工場と呼ばれたイギリスの繊維産業は、安価で良質なアメリカ産綿花に大きく依存していました。そのため、米国南部で生産される綿花は国際市場で高い需要を誇り、外貨獲得の柱となっていました。一方で、この繁栄の裏には奴隷労働による生産体制があり、後に南北戦争へとつながる社会的対立の要因ともなりました。

1860年という節目の年

1860年はエイブラハム・リンカーンが大統領に当選し、翌年に南北戦争が勃発する直前の時期でした。綿花輸出への依存度がピークに達したこの年は、アメリカ経済史における重要な転換点として知られています。戦争の開始により北部の海上封鎖が敷かれると、綿花輸出は激減し、南部経済は深刻な打撃を受けることになりました。