南アメリカの歴史

第一次世界大戦終結時にアメリカで50万人の死者?実は誤解――実際の犠牲者数を解説

ご質問の前提には誤りがあります。第一次世界大戦の終結時期に、アメリカ合衆国で50万人もの死者が出たという事実はありません。

アメリカの第一次世界大戦における実際の犠牲者数

第一次世界大戦中のアメリカ軍の戦没者総数は、約116,516人とされています。これは50万人にはほど遠い数字です。内訳のおおよそは次の通りです。

  • 戦闘による死亡: 約53,000人
  • 疾病などの戦闘外要因による死亡: 約63,000人(1918年のインフルエンザ流行による死者を含む)

「50万人」という誤解が生まれた背景

このような誤解が生じる一因として考えられるのが、第一次世界大戦末期に世界中で猛威を振るったインフルエンザ・パンデミック(いわゆる「スペインかぜ」)です。この流行により、アメリカ国内では約67万5,000人が死亡したと推定されています。大戦の終結とパンデミックの時期が重なっていたため、両者の被害が混同されやすいのです。

欧州主要国との比較

なお、ヨーロッパの主要参戦国と比べると、アメリカの人的損失は相対的に小さかった点にも触れておきましょう。フランス、ドイツ、ロシアなどの国々は、数十万人から数百万人規模の戦没者を出しました。アメリカは1917年に参戦し、戦争に関与した期間が短かったことが、犠牲者数が抑えられた大きな理由です。