奴隷制という制度
南北戦争以前の南部の人々は、奴隷制という制度こそが、北部に対する大きな経済的・軍事的優位性をもたらすと固く信じていました。
経済的な優位性
この確信には明確な根拠がありました。南部は国内の他のどの地域よりも多くの奴隷を抱えており、その労働力によって南部の富の大部分――とりわけ綿花を中心とするプランテーション農業の生産物――が生み出されていたのです。奴隷労働に支えられた農園経済こそが南部の繁栄の基盤であり、これこそが北部には真似できない強みであると考えられていました。
軍事的な優位性
さらに南部の人々は、奴隷制が軍事面でも有利に働くと考えていました。奴隷たちに兵站作業や要塞の建設、農場の管理といった後方支援を担わせれば、白人男性を戦闘要員として最前線に送り出すことができます。こうした労働力の活用によって、南部は北部よりも大規模で強力な軍隊を編成・維持できると信じられていたのです。
しかし実際には、この楽観的な見通しは裏切られることになりました。北部は工業生産力と人口規模で大きく上回っており、戦争が長期化するにつれて、奴隷制への依存がむしろ南部の弱点となっていきました。