南アメリカの歴史

「我々は敵に出会った。そしてその敵は我々自身だった」――この名言に「長いバージョン」は存在するのか?

名言の出典と背景

「We have met the enemy and he is us.(我々は敵に出会ったが、その敵とは我々自身である)」という言葉は、アメリカの漫画家ウォルト・ケリー(Walt Kelly)による風刺漫画『ポーゴ(Pogo)』の登場キャラクターが、1971年に語ったものとして広く知られています。

この名言は、1812年戦争中の米海軍提督オリバー・ハザード・ペリーの戦勝報告「We have met the enemy and they are ours(我々は敵に出会い、彼らを我が物とした)」をもじったものであり、地球環境への警鐘として生まれたと言われています。

以来、この言葉は多くの著者や評論家によって、環境問題から社会批評まで、さまざまな文脈で解釈され引用されてきました。

元となった漫画のコマ

しかし、原典にあたってみると、この言葉は以下のように、漫画の一つのコマの中で、特別な前後関係や補足説明なしに使われたものです。

[画像:以下のテキストが書かれた『ポーゴ』の漫画コマ]

"We have met the enemy and they are us."
(我々は敵に出会った。そして彼らは我々自身だった)

結論:長いバージョンは存在しない

つまり、この名言にはいわゆる「長いバージョン」は存在しません。元来は単独のセリフとして描かれたものであり、私たちが目にする多様な解釈や引用は、すべて後世の人々が付け加えたものである、ということです。

それだけに、短い一言でありながら強烈なメッセージ性を持ち、半世紀以上たった今もなお幅広い場面で引用され続けているのです。