ナティヴィズム(排外主義)――移民が偏見に直面した最大の要因
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、アメリカに渡った移民たちが最も強い偏見に直面した理由として、ナティヴィズム(Nativism:排外主義)の高まりが挙げられます。
経済的競争への恐れ
当時、南欧や東欧から大量の移民がアメリカへ流入していました。イタリア人、ユダヤ人、スラヴ系の人々など、従来とは異なる背景を持つ移民の急増により、既存の労働者階級の間では「仕事を奪われる」「賃金が下がる」という経済的な不安が広がっていました。
文化的な違いへの警戒
さらに、新しい移民たちは言語・宗教・生活習慣などの面で、それまでの移民層と大きく異なっていました。多くのアメリカ人はこうした文化的な違いを脅威と受け止め、移民を「アメリカの価値観や制度を脅かす部外者」とみなすようになったのです。
偏見がもたらした結果
こうした排外的な感情は、移民に対する差別や社会的な排除へとつながりました。やがて1920年代には、移民の流入を厳しく制限する法律(緊急移民法など)が成立し、国を挙げての排斥政策へと発展していきました。