「ミントステート」はコイン上の場所ではありません
まず最初にお伝えしたい重要なポイントがあります。「ミントステート(Mint State)」は、コインに刻まれた造幣局の名前や場所を指す用語ではありません。これは、一度も流通していない未使用のコインの状態(コンディション)を表すグレーディング用語です。
ミントステートとは、造幣局から発行された直後の完璧な状態が保たれたまま、市場に出回ることのなかったコインを指します。アメリカで標準的に使われるシェルドン・スケールでは、MS-60からMS-70までの11段階で評価されます。
- MS-60〜62:目立つ傷や擦れがある未流通品
- MS-63〜64:平均的な水準の未流通品
- MS-65〜66:選び抜かれた高品質の未流通品
- MS-67〜70:ほぼ完全な状態から、理論上の完璧な状態
つまり、ミントステートはコインの価値を左右する「保存状態」を意味する言葉であり、刻印そのものではないのです。
5ドル金貨のミントマーク(造幣局刻印)の位置
一方、「ミントマーク(Mint Mark)」は、そのコインがどの造幣局で鋳造されたかを示す小さな刻印であり、実際にコインの表面に打たれています。5ドル金貨(ハーフイーグル)の場合、デザインによって以下の位置にあります。
リバティヘッド・ハーフイーグル(1839年〜1908年)
裏面のワシの下、つめの付近に刻印されています。
インディアンヘッド・ハーフイーグル(1908年〜1929年)
裏面のワシの下、矢羽の左側に配置されています。
主な造幣局とその記号
- フィラデルフィア造幣局:記号なし(または P)
- サンフランシスコ造幣局:S
- カーソンシティ造幣局:CC
- ニューオーリンズ造幣局:O
- シャーロット造幣局:C
- ダロネガ造幣局:D
- デンバー造幣局:D
まとめ
「ミントステート」と「ミントマーク」はよく混同されますが、前者はコインの保存状態を示すグレード用語、後者は鋳造された造幣局を示す刻印です。5ドル金貨を鑑定・売買する際は、ミントマークの有無や位置だけでなく、ミントステートによるグレード評価も確認することで、より正確な価値判断が可能になります。