南アメリカの歴史

奴隷制を行っていた国は大西洋貿易だけじゃない?歴史上の事例を徹底解説

人類の歴史において、奴隷制は地域や文化を問わず、さまざまな形で存在してきました。ヨーロッパ列強とアフリカの人々をめぐる大西洋奴隷貿易は広く知られていますが、それ以外にも、多くの国や文明が異なる時代に奴隷制を実践してきました。本記事では、歴史上の代表的な事例を10個紹介します。

1. 古代エジプト

古代エジプト社会には奴隷制が存在し、奴隷たちは主に肉体労働、家事、農作業などに従事していました。ピラミッド建設との関連で語られることもありますが、近年の研究では建設現場の中心は賃金労働者だったと考えられています。

2. 古代メソポタミア(現在のイラクおよびシリアの一部)

シュメールやバビロニアなどの古代文明でも奴隷制が行われており、奴隷の多くは戦争で捕らえられた捕虜でした。有名なハンムラビ法典にも、奴隷に関する規定が数多く残されています。

3. 古代ギリシャ

古代ギリシャ、特にアテネでは、奴隷制が社会の基盤の一つとなっていました。奴隷は家事労働や農業、鉱山労働にとどまらず、教育や行政の補助まで幅広い業務を担っていたのです。

4. 古代ローマ

ローマ帝国は、経済活動や軍事目的のために大量の奴隷人口に依存していました。奴隷は征服した領土から連れてこられた者や、奴隷として生まれた子どもたちでした。剣闘士スパルタクスによる大規模な奴隷反乱(スパルタクスの反乱)も、この時代に起こっています。

5. アラブ奴隷貿易

アラブ世界では、サハラ砂漠を縦断する交易路やインド洋の海路を通じて、アフリカやその他の地域の人々が奴隷として取引されていました。この貿易は数百年にわたり続き、東アフリカ沿岸の港町が重要な拠点となりました。

6. 中国

中国では歴史のさまざまな時期に奴隷制が存在し、奴隷は主に家庭内労働や農業に従事していました。王朝ごとに制度や扱いは異なり、身分制度の中で位置づけられていました。

7. モンゴル帝国

モンゴル帝国は征服の過程で一種の奴隷制を実践し、征服地から捕らえた人々を労働者、兵士、あるいは側室として使役しました。広大な領土の維持に、こうした強制的な労働力が組み込まれていたのです。

8. オスマン帝国

オスマン帝国も奴隷貿易に深く関与し、各地域から捕虜を獲得して、労働力、軍事サービス、家庭内労働などに利用しました。特に、キリスト教徒の少年を徴集して訓練する「イェニチェリ」と呼ばれる精鋭部隊はよく知られています。

9. バルバリア海岸諸国(現在の北アフリカ)

北アフリカのバルバリア諸国は、地中海沿岸での海賊行為と奴隷狩りで悪名高く、ヨーロッパ人をはじめとする多くの人々を捕らえて奴隷化していました。船員や漁村の住民が略奪の対象となり、欧州諸国との緊張要因ともなりました。

10. 中央アフリカの王国

植民地化以前の中央アフリカの王国や首長制社会も奴隷貿易に参加しており、隣接地域から捕らえた人々を売買していました。奴隷貿易は当時の経済や権力構造と密接に結びついていました。

まとめ

奴隷制は人類史上の悲劇的な一章であり、被害を受けた共同体に計り知れない苦しみと壊滅的な影響をもたらしました。現代の国際法や国際規範は、あらゆる形態の奴隷制を非難し、禁止しています。過去の事実を多角的に学び、正しく理解することが、二度と同じ過ちを繰り返さないための第一歩となるでしょう。