ベトナム戦争期、アメリカと対峙していた南ベトナム(ベトナム共和国)の大統領は、初代大統領ゴ・ディン・ジエム(Ngô Đình Diệm)です。彼は1955年に就任し、1963年11月に軍事クーデターによって打倒され、暗殺されるまで約8年間にわたって政権を率いました。
ゴ・ディン・ジエムという人物
ゴ・ディン・ジエムは、1954年のジュネーブ協定による南北分断後、1955年の国民投票を経て南ベトナム初代大統領に就任しました。当初はアメリカの強い支援を受けながら反共政策を推進しましたが、その統治手法は独裁的であるとの批判が次第に強まり、仏教徒への弾圧などをめぐって国内外から厳しい非難を浴びるようになりました。
1963年のクーデターとその最期
1963年11月1日、ズオン・バン・ミン将軍ら軍部主導によるクーデターが発生し、ジエムは弟のゴ・ディン・ヌーとともに拘束された後、翌11月2日に暗殺されました。このクーデターについては、アメリカ政府が事実上容認していたとされています。
ジエム政権崩壊後の南ベトナム
ジエムの死後、南ベトナムでは政治が不安定化し、指導者が短期間で入れ替わる混乱の時代が続きました。その後、1967年にはグエン・バン・チュー(Nguyễn Văn Thiệu)が大統領に就任し、アメリカ軍が本格介入した戦争の最も激しかった時期を通じて、1975年のサイゴン陥落まで政権を維持することになります。
つまり「アメリカとの戦争」の時期をどこで区切るかによって答えは変わりますが、南ベトナム建国期から戦争の序盤を率いたのがゴ・ディン・ジエムであり、本格的な米越戦争期の大半を担ったのはグエン・バン・チューだったと言えます。