南アメリカの歴史

ジョン・アダムズ大統領が「外国人・扇動諸法」で実現しようとしたこととは?

1798年、ジョン・アダムズ大統領は「外国人・扇動諸法(Alien and Sedition Acts)」に署名し、法律として成立させました。その背景には、以下の4つの主要な目的がありました。

1. 反政府的な批判の抑圧

この法律群の最大の狙いは、政府やその政策に対する反対意見、批判、否定的な論評を封じ込めることにありました。野党系の報道機関や政敵が主な標的となり、政府やその役人を批判した個人を起訴することが格段に容易になりました。

2. 移民の制限と外国人の強制送還

「外国人法」は、フランスのように国内の不安定化や革命の温床になりうると見なされた国からの移民を厳しく制限しました。大統領には特定の外国人集団を国外へ退去させる広範な権限が与えられ、移民が帰化して市民権を得る前に満たすべき要件も大幅に厳格化されました。

3. 連邦政府の権威の維持

アダムズ政権と与党の連邦党は、州の権利を擁護する勢力や野党である民主共和党の影響力拡大を強く懸念していました。これらの法律は、法令に違反した個人に対して連邦裁判所が措置を講じられるようにすることで、連邦政府の権限と法執行能力を強化することを目指しました。

4. 外国勢力による影響の阻止

「扇動法」は、政府やその役人に対する虚偽の、中傷的かつ悪意のある文書を明確に処罰の対象としました。この規定は、外国政府やその工作員がプロパガンダを流布したり、アメリカ国内に不満を植え付けたりするのを防ぐことを主眼としていました。

歴史に残った影響

特筆すべきは、「外国人・扇動諸法」が成立当初から強い物議を醸し、言論・出版の自由や移民の権利を侵害するものとして広く批判された点です。これらの法律はアダムズ政権と連邦党に対する世論の不満を一層高め、1800年の大統領選挙における民主共和党の勝利、そして連邦党時代の終焉につながる重要な要因となりました。