南北戦争開戦当初、北軍総司令官ウィンフィールド・スコット将軍が立案した作戦は、その発想から「アナコンダ計画(Anaconda Plan)」と呼ばれています。巨大な蛇が獲物を締め上げて弱らせるように、南側(アメリカ連合国)を経済的・軍事的に包囲しながら、じわじわと追い詰めていくという長期戦略でした。この計画には、大きく分けて次の3つの目標がありました。
アナコンダ計画の三大目標
1. 南部港湾の海上封鎖
北軍が誇る優れた海軍力を最大限に活用し、南部の主要港湾を封鎖しました。これにより、アメリカ連合国が綿花を輸出して戦費を調達する道を断ち、同時に海外から武器や弾薬などの軍需物資を輸入することも防ごうとしたのです。
2. ミシシッピ川の制圧
ミシシッピ川の支配権を握ることで、アメリカ連合国を東西に分断することを目指しました。川沿いの交通網を遮断すれば、西部諸州と東部との連携が断たれ、南軍の補給と兵力移動に深刻な打撃を与えられます。
3. 連合国首都リッチモンドの占領
バージニア州リッチモンドに置かれたアメリカ連合国の首都を攻略することで、南軍の指揮系統と国民の士気に決定的な一撃を加えようとしました。
スコット将軍の戦略思想とその後
スコット将軍は、北軍が持つ海軍の優位性と陸軍の数的優位を組み合わせれば、これらの目標は十分に達成可能だと確信していました。そして、この戦略を着実に実行すれば、戦争は1年以内に終結するだろうと見積もっていたのです。
実際には、戦争は彼の予想をはるかに超えて4年以上も続くことになりました。しかし、海上封鎖による経済的な締め付けやミシシッピ川の制圧といったアナコンダ計画の骨子は、最終的に北軍の勝利へとつながる重要な柱となりました。